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ニッポンのゆる~い日常

 中国への歩み寄りは無意味

2010-02-20 17:30:35 | 歴史
 中国への歩み寄りは無意味


http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100220/plc1002200244003-n1.htm


 ≪歴史観の違い明確に≫

 日中両国の有識者による歴史共同研究の報告書が先月末、公表された。この共同研究は、平成18年10月の安倍晋三首相(当時)と胡錦濤国家主席の合意に基づき、戦略的互恵関係構築の一環として行われたものだ。

 双方が歩み寄ったことを評価する声が一部にある。だが、近現代史部分の中国側記述を読むと、表現が少し穏やかになったものの、内容は従来の中国共産党史観とほとんど変わらない。中国がそれほど歩み寄ったとは思えない。

 南京事件(昭和12~13年)について、中国側はこう書いている。「日本軍は南京で多数の捕虜や住民を集団虐殺し、略奪を繰り広げた。東京裁判は占領後1カ月間に南京市内で2万人近い強姦(ごうかん)事件が起きたと認定。南京軍事法廷は犠牲者数を計30万人以上とした」

 「30万人虐殺」説も「2万人強姦」説も、中国当局が公式に主張している数字だ。当時の南京の人口(20万人)を上回る「30万人虐殺」が荒唐無稽(むけい)な数字であることは言うまでもないが、「2万人強姦」もあり得ない話である。

 南京事件に詳しい東中野修道・亜細亜大教授は以前、本紙でこんな指摘をしていた。

 第二次大戦にドイツが敗れた直後の2カ月間で、約10万人の女性がロシア兵に強姦された。1万人強が妊娠し、その90%は医師が中絶したが、1000人強は出産したという。だが、南京でそのような“不幸な赤ちゃん”が生まれたという記録はどこにもない。



 ≪「虐殺なかった」も有力≫

 南京事件では、日本側が「日本軍による集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪が頻発した。犠牲者数は20万人を上限として、4万人、2万人などさまざまな推計がある」と虐殺を認め、中国の主張に歩み寄った。

 しかし、「南京虐殺」や「南京大虐殺」は当時の中国国民党の反日宣伝だったことが、最近の研究で分かってきた。

 「大虐殺」の証拠とされる「戦争とは何か-中国における日本軍の暴虐」の著者、英マンチェスター・ガーディアン紙の中国特派員は実は第三者ではなく、「田伯烈」という中国名の国民党中央宣伝部顧問だった。

 日本側が報告書に記した「集団的な虐殺」の有無もはっきりしなくなってきた。日本側の記述にある「20万人虐殺」説を唱える日本人学者はいるにはいるが、信頼性を失っている。かつて「4万人虐殺」説を主張した近現代史家の秦郁彦氏も、近著で「実数はそれをかなり下まわるであろう」と下方修正している。

 「虐殺」とされたケースのほとんどが通常の戦闘行為の延長で、ナチス・ドイツやスターリン時代の旧ソ連が他民族に対して行ったような集団的な虐殺はなかったという見方が有力になっている。

 こうした最近の実証的な研究成果が、今回の日本側の報告には触れられていない。



 ≪水増しは常套手段≫

 今回の報告書で、中国側は日中戦争における中国側の被害について、「不完全な統計」と断っているものの、「約3500万人が死傷した」と書いた。これも中国側の誇大宣伝数字の一つだ。

 秦氏によれば、終戦直後の1946年、国民政府の何応欽軍政部長は中国軍人の死傷者を「321万人(うち死者189万人)」と東京裁判に報告した。何応欽は1978年に行った演説でも、中国軍の死傷者数をほとんど変えず、民間人を合わせた軍民の死傷者数を「579万人」としていた。

 ところが、1980年代、中国の軍事博物館や教科書に、中国軍民の死傷者「2168万人」という数字が登場し、4倍にふくれ上がった。さらに、1995年、江沢民前国家主席はモスクワで行った演説で、中国軍民の死傷者を「3500万人」に増やし、軍事博物館や教科書もこの数字に差し替えられた。日本軍による犠牲者数を根拠のないまま水増ししていくのは、中国の常套(じょうとう)手段である。

 中国側が歩み寄ったのは、日中戦争の発端となった盧溝橋事件(昭和12年7月)で、「正確な史料は見つかっておらず、事件が偶発的に起きた可能性がある」と偶発説に言及したことくらいだ。

 東京裁判で、国民政府は「日本軍挑発」説を唱え、中国の教科書もこれに依拠している。

 だが、最近の日本の研究では、「中国共産党謀略」説も有力になっている。今回の報告書で、日本側は「偶発」説を書くにとどめたが、少し踏み込みが足りない。

 共同研究は今後も、人を代えて続けられる。独裁国家の中国と学問の自由がある日本との間に、歴史認識の共有などあり得ない。日本が中国に歩み寄ったところで、学問的には何の意味もないのである。(いしかわ みずほ)





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外国人参政権 付与の法的根拠が崩れた

2010-02-20 11:46:12 | 外国人参政権

外国人参政権 付与の法的根拠が崩れた


http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100220/plc1002200240001-n1.htm


 永住外国人への地方参政権(選挙権)付与をめぐり、「憲法上、禁止されていない」との判断を示した最高裁の元判事、園部逸夫氏が「(在日韓国・朝鮮人を)なだめる意味があった。政治的配慮があった」と本紙に明言した。

 これにより外国人参政権の立法化の大きな根拠が崩れたといえる。鳩山由紀夫政権は法案提出を断念すべきだ。

 問題の最高裁判決は平成7年2月に出された。本論で外国人参政権を否定しながら、主文と関係のない傍論部分で「国の立法政策に委ねられている」と暗に立法化を促した。これを機に、在日韓国人ら永住外国人に地方参政権を与えようという動きが強まった。

 傍論に判例拘束力はないが、その判断に政治的配慮が働いたとあっては、信頼性も損なわれたのではないか。厳正な中立性を求められる判決の中でも、特に最高裁判決は時々の政治的配慮に左右されてはならないからだ。

 園部氏は政治的配慮の中身について「韓国や朝鮮から(日本が)強制連行してきた人たちの恨みつらみが非常にきつい時代ではあった」と語っている。この認識にも問題があるように思われる。

 いわゆる「朝鮮人強制連行」は戦時下に多くの朝鮮人労働者が日本内地へ渡ってきたことを指す戦後の造語である。だが、最近の実証的な研究や外務省の公式文書などにより、大半は自由意思に基づく渡航で、そうでない場合も国民徴用令に基づく合法的な渡航だったことが分かってきている。

 最高裁は一方的な歴史観に基づいて傍論の判断を示したことになりはしないか。

 また外国人に地方参政権を付与できるとする参政権の「部分的許容説」を日本で最初に紹介した長尾一紘・中央大教授(憲法学)も最近、自説に疑義を抱き始めたことを本紙に打ち明けている。昨年2月、韓国で在外選挙法が成立して在日韓国人が本国で国政参政権を行使できるようになり、状況が変わったことなどが理由だ。

 長尾氏は政府が今国会提出を検討中の参政権付与法案に対し「明らかに違憲。国家解体に向かう危険な法案だ」とも警告している。判例だけでなく、学説面からも法案の根拠が揺らいでいる。

 本紙の国会議員アンケートでは与党民主党からも法案を疑問視する声が上がっている。首相はただちに方針転換を決断すべきだ。







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