【上海万博】1日開幕、パクリ疑惑に懸命に反論
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100429/chn1004292103009-n1.htm
史上最大規模の国際博覧会、上海万博が5月1日、開幕する。中国館やマスコットのデザイン、テーマソングなどの“盗用疑惑”が噴出する中、中国側は、万博事務局の洪浩事務局長が28日の記者会見で「われわれは知的財産権の保護を重視してきた」と強調するなど、何とかメンツを取り繕おうと躍起になっている。
中国館は、枡組(ますぐみ)と呼ばれる柱の組み合わせや逆三角形のデザインが、1992年セビリア万博(スペイン)で日本の建築家、安藤忠雄氏が手がけた日本館に酷似しているとの指摘を受けている。
これに対し、中国館を設計した華南理工大学建築学院の倪陽副院長は、中国紙上で「中国館のスタイルは建築デザインの世界で広く使われているもの。安藤氏が創造したものではない」と反論した。
さらに国際情報紙、環球時報(英語版)によると、中国社会科学院建築研究院の主任設計士、崔●氏も「(中国館、セビリア万博時の日本館)ともに伝統的な中国の建築技法から影響を受けている。盗作というのならば、最初にコピーしたのは日本の方だ」と主張している。
●=杉の木を丹に
2010.4.29 21:02
「万パク」狂想曲
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100429/chn1004291802003-n1.htm
中国で5月1日に開幕する上海万博。242の国と国際機関が参加し、半年の会期中に7千万人以上の来場者を見込むという史上最大規模で、北京五輪に続く中国の威信を世界に示す国家イベントだ。ただ「量と質」が必ずしもバランスしないのが、この国の常。開幕前夜のドタバタ劇を3回にわたって現場から報告する。
◇
上海万博をめぐっては相次ぐ盗作、模倣、偽造などの疑惑が噴出。「万事がパクりの上海万パクじゃないのか」との厳しい見方が内外で広がっている。
事例(1)「PR曲」
独自の作曲とされたPR曲「2010等●(ニイ)来」のメロディーがシンガーソングライター、岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」にそっくりだと国内でネットユーザーに指摘され、あわてた万博事務局が曲の使用を停止した上、岡本さん側にこの曲の使用権を求める騒ぎがあった。
盗作を事実上、認めた形だ。しかし、PR曲の作曲者、繆森(ぼく・しん)氏が盗作疑惑を否定する声明を発表して混戦模様に。そこに中国の程永華駐日大使が27日、「中国は著作権保護に真剣で、関係部署が調べている。(もし盗作が)はっきりすれば厳しい姿勢で臨まなければならない」と述べ、なにが真実でなにがウソなのかわからない事態になった。
●=にんべんに「尓」
事例(2)「マスコット」
上海万博公式マスコットの「海宝(ハイバオ)」のデザインが、米国で1950年代に発売されたキャラクターの「ガンビー」にイメージがそっくりだと、やはり中国のネットで指摘されている。台湾のデザイナー、巫永堅(ふ・えいけん)氏の作品として選ばれ、2007年12月に公式に採用されている。
体の形は漢字の人、色は海のイメージを投影したというが、顔の形や頭と胴が一体化したスタイルがガンビーとそっくりという。
だが、台湾からの報道によると、巫永堅氏は盗作疑惑について、「侮辱だ」と憤り、「海宝のデザイン当時は、ガンビーなど見たこともなく、存在も知らなかった」などと主張。裁判も辞さない構えを見せているという。こちらも複雑な事態になりそうな雲行き。
事例(3)「中国館」
国家パビリオンとして中国政府が威信をかけた「中国館」の外観デザインにも疑惑が。1992年にスペインで開かれたセビリア万博の「日本館」など、建築家、安藤忠雄氏が手がけた作品に酷似している、との指摘が、これもネットで広がった。中国館は「東方の冠」をイメージした高さ69メートルの逆ピラミッド型の建物で上海万博を象徴するメーンパビリオンでもある。
だが、セビリア博の日本館や安藤氏の設計で2000年に完成した愛媛県西条市の「光明寺」の画像と比較したサイトによると、枡組と呼ばれる柱の組み合わせや枡組による逆三角形のデザインがそっくりだ。
万博事務局は「中国の建築様式だ」と突っぱねているが、建築専門家の間ではかねて首をひねるデザインとされていたという。中国館の設計を統括した華南理工大学建築学院の何鏡堂院長は地元紙の取材に、「建築には百点満点はない」などと答えているそうだ。
事例(4)もろもろ…
公式のPR曲に公式マスコット、そして国家パビリオンにも疑惑が広がる不可思議な事態に。お上がそうであれば下々はもっと乱れるのか。万博期間中のテロ対策として、周辺の省から上海市への進入車両は境界線で厳しい安全検査が義務づけられるが、その検査がフリーパスとなる許可証のニセモノが堂々と販売されて、当局に摘発された。
万博会場への入場券で超人気の開幕当日、5月1日分(約2700円)の偽造券も横行している。地元紙は、ネット上で1枚4000~5000円で転売されている5月1日の入場券の中には、数多くのニセモノが含まれているとして警告している。見た目はソックリだが、当日、自動入場機にはじかれて入場できない事態になるかもしれない。
マスコットや公式マークの入った万博グッズのニセモノ販売はすでに当たり前のこと。パクり大国の偽造技術は「向かうところ敵なし(?)」だ。ただ、この国のこれまでの「常識」やら「言い訳」やらは国際社会に簡単に通用しそうもない。国内の理屈でやってきたパクり劇。万国博覧会の場でどう変化するか。世界の注目が上海に集まる。
2010.4.29 18:00
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100429/chn1004292103009-n1.htm
史上最大規模の国際博覧会、上海万博が5月1日、開幕する。中国館やマスコットのデザイン、テーマソングなどの“盗用疑惑”が噴出する中、中国側は、万博事務局の洪浩事務局長が28日の記者会見で「われわれは知的財産権の保護を重視してきた」と強調するなど、何とかメンツを取り繕おうと躍起になっている。
中国館は、枡組(ますぐみ)と呼ばれる柱の組み合わせや逆三角形のデザインが、1992年セビリア万博(スペイン)で日本の建築家、安藤忠雄氏が手がけた日本館に酷似しているとの指摘を受けている。
これに対し、中国館を設計した華南理工大学建築学院の倪陽副院長は、中国紙上で「中国館のスタイルは建築デザインの世界で広く使われているもの。安藤氏が創造したものではない」と反論した。
さらに国際情報紙、環球時報(英語版)によると、中国社会科学院建築研究院の主任設計士、崔●氏も「(中国館、セビリア万博時の日本館)ともに伝統的な中国の建築技法から影響を受けている。盗作というのならば、最初にコピーしたのは日本の方だ」と主張している。
●=杉の木を丹に
2010.4.29 21:02
「万パク」狂想曲
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100429/chn1004291802003-n1.htm
中国で5月1日に開幕する上海万博。242の国と国際機関が参加し、半年の会期中に7千万人以上の来場者を見込むという史上最大規模で、北京五輪に続く中国の威信を世界に示す国家イベントだ。ただ「量と質」が必ずしもバランスしないのが、この国の常。開幕前夜のドタバタ劇を3回にわたって現場から報告する。
◇
上海万博をめぐっては相次ぐ盗作、模倣、偽造などの疑惑が噴出。「万事がパクりの上海万パクじゃないのか」との厳しい見方が内外で広がっている。
事例(1)「PR曲」
独自の作曲とされたPR曲「2010等●(ニイ)来」のメロディーがシンガーソングライター、岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」にそっくりだと国内でネットユーザーに指摘され、あわてた万博事務局が曲の使用を停止した上、岡本さん側にこの曲の使用権を求める騒ぎがあった。
盗作を事実上、認めた形だ。しかし、PR曲の作曲者、繆森(ぼく・しん)氏が盗作疑惑を否定する声明を発表して混戦模様に。そこに中国の程永華駐日大使が27日、「中国は著作権保護に真剣で、関係部署が調べている。(もし盗作が)はっきりすれば厳しい姿勢で臨まなければならない」と述べ、なにが真実でなにがウソなのかわからない事態になった。
●=にんべんに「尓」
事例(2)「マスコット」
上海万博公式マスコットの「海宝(ハイバオ)」のデザインが、米国で1950年代に発売されたキャラクターの「ガンビー」にイメージがそっくりだと、やはり中国のネットで指摘されている。台湾のデザイナー、巫永堅(ふ・えいけん)氏の作品として選ばれ、2007年12月に公式に採用されている。
体の形は漢字の人、色は海のイメージを投影したというが、顔の形や頭と胴が一体化したスタイルがガンビーとそっくりという。
だが、台湾からの報道によると、巫永堅氏は盗作疑惑について、「侮辱だ」と憤り、「海宝のデザイン当時は、ガンビーなど見たこともなく、存在も知らなかった」などと主張。裁判も辞さない構えを見せているという。こちらも複雑な事態になりそうな雲行き。
事例(3)「中国館」
国家パビリオンとして中国政府が威信をかけた「中国館」の外観デザインにも疑惑が。1992年にスペインで開かれたセビリア万博の「日本館」など、建築家、安藤忠雄氏が手がけた作品に酷似している、との指摘が、これもネットで広がった。中国館は「東方の冠」をイメージした高さ69メートルの逆ピラミッド型の建物で上海万博を象徴するメーンパビリオンでもある。
だが、セビリア博の日本館や安藤氏の設計で2000年に完成した愛媛県西条市の「光明寺」の画像と比較したサイトによると、枡組と呼ばれる柱の組み合わせや枡組による逆三角形のデザインがそっくりだ。
万博事務局は「中国の建築様式だ」と突っぱねているが、建築専門家の間ではかねて首をひねるデザインとされていたという。中国館の設計を統括した華南理工大学建築学院の何鏡堂院長は地元紙の取材に、「建築には百点満点はない」などと答えているそうだ。
事例(4)もろもろ…
公式のPR曲に公式マスコット、そして国家パビリオンにも疑惑が広がる不可思議な事態に。お上がそうであれば下々はもっと乱れるのか。万博期間中のテロ対策として、周辺の省から上海市への進入車両は境界線で厳しい安全検査が義務づけられるが、その検査がフリーパスとなる許可証のニセモノが堂々と販売されて、当局に摘発された。
万博会場への入場券で超人気の開幕当日、5月1日分(約2700円)の偽造券も横行している。地元紙は、ネット上で1枚4000~5000円で転売されている5月1日の入場券の中には、数多くのニセモノが含まれているとして警告している。見た目はソックリだが、当日、自動入場機にはじかれて入場できない事態になるかもしれない。
マスコットや公式マークの入った万博グッズのニセモノ販売はすでに当たり前のこと。パクり大国の偽造技術は「向かうところ敵なし(?)」だ。ただ、この国のこれまでの「常識」やら「言い訳」やらは国際社会に簡単に通用しそうもない。国内の理屈でやってきたパクり劇。万国博覧会の場でどう変化するか。世界の注目が上海に集まる。
2010.4.29 18:00