二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

イスラエル ガザへ地上侵攻

2009年01月06日 | 社会
パレスチナ自治区のガザが最悪の事態になっています。日本では不景気で働く場所もない人たちの問題がありますが、ガザではさらに、電気やガス、水道が来ない、食糧がない、国外へ逃げようにもイスラエル軍に包囲されているというのがガザの人たちに現状です。経済でもアメリカや欧州、イスラエルにより封鎖されている状態です。「戦うな」と言われても戦わなければならない現状があるようです。

子供や女性、弱い立場の人たちなど罪もない人たちが亡くなっています。

イスラエル軍の世界最高水準の軍隊能力、アメリカから輸入される最新鋭の武器をもってすれば、ロケット弾の出所をピンポイントで攻撃することはたやすいことなのに、ロケット弾の出所は攻撃せず、病院や学校、モスクなど民間施設が攻撃の対象となっています。

これがガザで行われている行為による被害の一端です。

以下にきくちゆみさんのブログからガザに関することを転写。(長いですよ!)

----------------------------

連中はもうどんなことをしてもいいと思っている

エヴァ・バートレット
エレクトロニック・インティファーダ/Live from Palestine
2009年1月3日

直前のF-16の爆撃で煙と土埃がもうもうと舞い上がる中、必死に避難する一家がいる。ジャバリヤのパレスチナ赤新月社(Palestine Red Crescent Society:PRCS)の救急車受付には、恐怖におののきながら家から避難する住民たちからの電話が殺到している。新しい年。新たなナクバ(大災厄)。でも、この光景は目新しいものではない。イスラエルは今またガザを爆撃し、世界はその横で、ガザをぐるりと囲んでいる電流の通ったフェンスや西岸地区を分断しゲットー化している壁とは無縁の、安全なフェンスの上にのんびりと座っている。のんびりと座って、これまでの長期にわたる封鎖でほとんど死にかけていたガザの人たちをイスラエルが次々と虐殺していくのを正当だと言っている。

今夜は救急車4台に同伴。昨夜は2台だった。救急車は、できたての瓦礫の山を巧みによけながら、縫うように、人為的に作り出されたゴーストタウンの中、明りのいっさい消えた道路(ガザ中の道が同じような状態だ)を
走っていく。

こんなことはどう考えたってありえない、信じられない。皆殺しではないか。「連中はもうどんなことをしてもいいと思っている。気が狂いかけているんだ」と救急スタッフは言う。

家の残骸、モスク、学校、店の残骸。パニック状態で、死ぬのだけは免れようと避難する住民たちの姿がそこここに見える。前夜、またも多くの家が爆撃を受けて、今朝から、さらに大勢の人が避難を始めた。私も多くの残骸をまのあたりにした。今朝、イスラエル軍が撒いたビラに、集団的懲罰として北部一帯を爆撃すると書いてあり、住民たちはそれを信じた。

今、ジャバリヤの複数のPRCSステーションにはどこにも明りはついていない。つい先ほど停電してしまったのだ。寒さと闇の中、戸外の爆裂音はいっそう大きく響きわたる。

砲撃で立ち昇る刺激性の煙が空気を汚していく。戦闘機と戦車とブルドーザーと戦艦で完全に包囲されているという感覚がどんどん強まっていく。

ガザ攻撃の最新ニュースが流れる。ガザ市のパレスチナ・モスクの近くの孤児院が爆撃された。次はパレスチナ・モスクだと皆が口をそろえて言う。すでに少なくとも10のモスクが破壊されている。今日のイブラヒーム・アル・マカドマ・モスクの爆撃で死んだ人は11人、怪我をした人は50人。死者も負傷者も果てしなく増えていく。

北西部からの、そして、この救急ステーションから遠く離れた東部からの救助を求める電話は、返事ができないままにやり過ごさなければならない。救急スタッフはICRC(赤十字国際委員会)経由でイスラエル相手に調整をしなければならない。なんと痛烈な皮肉だろう。占領者はガザから出る許可を与えず、占領者は侵攻し、その侵攻者は次々に人を殺し、重傷を負わせ、そして、あろうことか、自分たちが殺し、怪我を負わせた人たちを救急車が搬送する許可を与える権限まで持っているのだ。

信じられないという思いが続いている。重い爆発音とアパッチヘリのプロペラ音も、夜の闇に撃ち込まれる銃撃のスタッカートも、結末のわからないまま、どことも知れない標的を直撃したミサイルの炸裂音も、何もかもが、ただひたすら信じられない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エヴァ・バートレットはカナダ人の人道活動家、フリーランサー。2007年、西岸地区の各地に8カ月、カイロとラファ・クロッシングに4カ月滞在。2008年11月に第3次フリー・ガザ運動の船でガザに到着したのち、現地にとどまり、国際連帯運動(ISM)の一員として活動を続けている。現在、ISMメンバーは、救急車同伴活動を実施し、イスラエルのガザ空爆・地上侵攻の目撃証言を現地から発信している。

翻訳:山田和子

----------------------------

さらに、もう一つ

----------------------------
皆さま、新しい年が明けました。
今年もよろしくお願いします。

昨年祖母を亡くし喪中だったため、新年の
ご挨拶は控えるつもりでいました。

けれども年末から始まったイスラエルによるガザへの
大規模な空爆が連日激しさを増し、辛い気持ちで
年を越し、喪に服す思いは一層強くなりました。

でも私の気持ちを暗く重くしているのは、イスラエルによる
空爆の事実だけではありません。

この一連の出来事には大きなトリックがあり
一般の報道も、政府の対応も、人々の反応も
そのトリックに陥ったままであることが、状況を
一層悲惨にしていることに心が張り裂けそうになるからです。

今回のイスラエルの空爆、そしてこのほど開始された
地上での攻撃はイスラエルの言う『戦争』でもなければ
『ハマスのロケット弾阻止』の大儀のためでもないことは
イスラエルのこの60年間のパレスチナへの戦略を
ほんの少し学ぼうとすれば誰にでもすぐにわかるはずです。

小学生にだって。

これは戦争でもテロ対策でもなく、あきらかな『侵略行為』です。

60年前に始まったイスラエルのパレスチナ地方への
侵略『NAKBA』の一環です。

ガザ側からロケット弾が打ち込まれる遥か昔から
イスラエルによるこうした攻撃は姿かたちを変え
繰り返されてきています。

そして今回のガザへの大規模な攻撃は、周到に準備された
ものでした。

2003年夏ごろから突如として始まった封鎖の硬化。

(それまでもパレスチナの人々にとっては
イスラエルによる軍事封鎖のため移動も物資の輸送も著しく制限
されていましたが、私たち外国人は交渉次第で出入りできました。
それがそのころから国連職員、NGO、ジャーナリストが次々に
ガザに入れなくなり完全に封鎖されてしまったのです。)

そして極めつけ、シャロン首相によるガザからの入植者撤退、世間
に対しては平和的な行動のようにアピールされていましたが、
入植地がなくなりいよいよ大規模な空爆を可能にし、準備を
進めている気配が、イスラエルによるガザへの激しい攻撃、
侵略を予測させ、私の中に不気味な不安を掻き立てました。

この時7000人のガザの入植者を撤退するシャロン首相に
ブッシュ大統領は次のことを了解していたのです。

一、ほとんどすべてに近い西岸地区入植者の永久保存(約16万人)
二、イスラエル建国にともなうパレスチナ難民の帰還権の放棄
三、西岸に建てている隔離壁の建設
四、暗殺攻撃を含めた、パレスチナ抵抗勢力への攻撃

(このことはエリック・アザン『占領ノート』現代企画室の解説に
も詳しく触れています。上記の訳はこの著書から引用しました。)

これまでのどの米国大統領も、イスラエルを擁護していても
パレスチナ難民の帰還権に触れることはありませんでした。

それがブッシュ大統領は安々とその放棄を一方的に
認めてしまったのです。
さらに入植地を初めて認めた大統領に対し呆れ果てました。

その浅い判断による重い罪と、このため今後のしかかる
パレスチナの人々の恐ろしい運命に、当時私たちは本当に落胆し、
恐怖を感じたことを覚えています。

またこの4つ目の暗殺攻撃を含めた攻撃の許可は今回の大規模な
空爆の格好のステップとなりました。

それでもアフガン攻撃、イラク攻撃と次々に失敗し、米国民からも
すっかり支持を失ったブッシュ大統領と、その大統領を支えてきた
マスコミ、国際社会は、大きな反省と成長の元、イスラエルの暴挙
は抑えられるだろうとどこかで楽観的な期待もしていました。

今回のような大規模な空爆を許さない、国際社会の監視という
抑止力が働くことを信じていました。

でもそんな期待はあっという間に吹き飛ばされました。

長期間封鎖され、食事も水も電気も仕事も失われつつある
ガザの人々に対し、戦闘機、無人戦闘機(卑劣です)、戦車、
軍艦を総配備してイスラエルは容赦なく攻撃をし、それを国際社会
は止められずにいます。

そしてパレスチナ側からの抵抗は一切認めようとしません。

イスラエルはロケット弾の発射区は攻撃せずに残しています。

イスラエルの情報量、最新技術では、ピンポイントで
人一人に絞って爆殺出来ますし、これまで何度も
それを行ってきています。

でも、2006年のレバノンの時と同じ、核心は残し、
ガザの歴史的建造物であるモスクや大学、マンションなど
多くのものを攻撃し破壊し人々を犠牲にし続け、
『パレスチナは人道危機にはない』と言い続けています。

いったいガザをどうするつもりなのでしょう。

先日知人が苛立ちながら私に質問してきました。

『どうしてハマスはロケット弾を撃ち込めば攻撃されることを
わかっていて撃ち続けるんだ。』

その方は、イスラエルの攻撃は許されない、だけどハマスが
攻撃を止めれば納まるのに・・・と心配していたようです。

でもその言葉は私を深く傷つけました。

困ったことに、こうした質問に答える的確な答えを
探しても見つけることが出来ない自分がいました。

パレスチナの状況は勘のいい人ならすぐに理解できるかもしれま
せんがほとんどの人は中に行って、パレスチナ側から世界を見て
みないと理解するのは難しい。想像を絶する状況があります。

そして理解されない・・・ということが、
本当に辛く孤立感や絶望感を生んでいます。

私も以前は抵抗するパレスチナ側を批判していました。

何故?と詰め寄ったこともありました。

でも闘わなくてどう生きたらいいのでしょう。
私たちが食べないと生きていけないと同じくらいに、
生きるために闘うしかなかったら。

そんな状況をどうやって私たちは想像できるのでしょうか。


パレスチナで聴いた言葉が今でも心に焼き付いています。

『信じてください。世界というものは、
 弱い人々の言葉を聞かないものです。』

食糧支援、教育支援、医療支援、金銭的支援
それらを命がけでやってもやっても人々が殺され続け、政治部門
軍事部門と立ち上げ、それでも結局何をしても変わることの無かった
パレスチナの状況を憂いながら、ハマスの幹部イスマイル・アブ・
シャナブさんが涙をためて私に言った言葉です。

シャナブさんは2003年当時、イスラエルと闘っても軍事的には
かなわないことを私にはっきり言いました。

『共存しか道は無いのです。そのためにもまずはパレスチナ自治区内
のイスラエルの軍事的政治的占領をやめてもらうことです。そして
共存のための話し合いのテーブルにつくつもりです。』

シャナブさんは政治部門のトップで、インタビューをお願いするたび
に繰り返し共存について発言しました。

ラジオでも、日本のテレビ局向けにも発言していました。

でもそれは大々的には報道されず、シャナブさんは2003年夏、
乗っていた車に対する戦闘機からのピンポイント空爆で
爆殺されてしまいました。

ハマスはイスラエルとの停戦に合意し、攻撃を
止めている真っ最中でした。

その時私はイスラエル政府が望んでいることは、共存でも
占領の終結でもないことを知りました。
停戦も和平なども望んでいないことを。

それまでも、もしかしてそううかな?と思う節があっても、
いや、まさか・・・と信じたい気持ちでいました。

でもこの時知ったのです。

そしてシャナブさんの死を受けて、ハマスの残された人々は
怒りに震え、停戦破棄を宣言しました。

『ハマス停戦破棄』は各紙大々的に報道され、ハマス側から停戦が
破られた印象が世間を走りました。

その後私もガザに入れることは無く、今のハマスの状況も、
パレスチナの状況も本当には把握し切れていません。

でもなぜ、新聞も報道のたびに「ガザを支配するハマス」と
枕詞のようにつけるのか疑問は消えません。

ハマスは、パレスチナの人々の選挙で勝ったアラファトを認めよう
としないイスラエル、米国、国際社会の圧力により、国際監視団
のもと正当な選挙で選ばれたパレスチナの第一党です。

そうなったとたん、それを認めず、秩序を著しく乱しているのは
イスラエル、アメリカ、そして私たちです。

マスコミに勤めている方たちにお願いがあります。

私たちの平和を望み、今の状況をペンの力で打開したいと
思って記者になったのでしたら、マスコミにはその力があります。

でも記者のかたたちがいくらエルサレムに駐在したって
占領地のことはわかりません。

西岸やガザにもっと入ろうとして、ご自身の目で確かめてから
記事にしてください。

こんな時はガザに近寄り、どうしても中に入れない状況くらい
自分でリポートしてみて欲しいと思います。

それからブッシュ大統領に声を届けることの出来る方に
お願いがあります。

英雄になりたくてイラクもアフガンも経済もことごとく失敗して
しまったブッシュ大統領に、あと一つだけ英雄になる方法が残され
ていることを誰か伝えてください。

残すところ後僅かな任期中に、今すぐに、イスラエルの攻撃を
ストップさせることです。
米国大統領の力において。

ブッシュ大統領にはそれが出来ます。

数々の失敗の後でも
世界から尊敬され後世名を残す立派な大統領として
幕を閉じることが出来るでしょう。

皆さんにお願いがあります。

私たちが今回の攻撃について正しく理解するためには
少しでもいいので、イスラエルの建国から今に至る全体の
流れを知ってください。

1月8日の試写会、ぜひいらしてください。

また1月10日には子どもキャンペーンやアムネスティ、JVCなど
日本を代表するNGOとともに、今回のガザへの攻撃に対して
出来ることを模索し、イベントを企画中です。

何か良い案がありましたらお知らせください。
パレスチナのことに関心が無かったり、あまり良く知らない方たちも
巻き込んで出来る何かいい方法を探しています。

詳細が決まりましたらまたお伝えします。

乱文、お許しください。

                      森沢典子
--------------------------

これが、ガザの現状であり、中東の現実です。世界が平和であるためには、まず知ることが大切であり、弱い立場の人を思いやることが大切ですよね


二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

養生訓と健康・長寿

2009年01月06日 | 東洋医学研究所 コラム
東洋医学研究所のコラムが更新されました

~養生訓と健康・長寿~
東洋医学研究所 所長 黒野保三 先生


『養生訓と健康長寿』 研究所コラムはこちら

年初めの東洋医学研究所コラムは、所長の黒野保三先生です。養生訓や古典などの考えを大切にしつつ、それを「治療をやった、効いた」だけに終わることなく、なぜ鍼治療は効くのか?!古典は正しいのか?!ということを科学的に実証してきたのが黒野先生の歴史です。膨大な基礎研究、臨床研究、学会・社会活動の量です。

いち鍼灸師でこれだけのことを、80歳を迎えた今でも情熱を燃やし、鍼灸の真実を探求している先生は日本でもなかなかおめにかかることができません。それに加え、自己満足、自分だけがという考えはなく、弟子も多く育て(私はまだまだですが)、さらに毎年多くの明治国際医療大学や他の専門学校の卒業生の見学があり、本物の鍼灸医療を伝えています。

西洋医学の診断基準から、脳や遺伝子などの最先端医学も視野にいれ、東洋医学の古典など幅広い視野にたって鍼治療をされています。

すべては国民が健康で豊かに人生を送って頂くためです。そのための鍼灸医学の真実の探求です。それを実践されている先生の新年のコラムです。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする