二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

不妊症 ~ご夫婦で治療されること~

2009年01月14日 | 不妊症
1月9日(金)、不妊の鍼治療をしていた患者様(40歳の方です)から電話がありました。1月8日、無事、元気な女の子を出産されたとのことでした。おめでとうございま~す

新しい家族、温かい存在が増え、これから、さらに幸せになられることでしょう

今回、幸せを手にすることができた患者様、実はご主人さんが先に治療に来院されていました(平成18年12月)。不妊治療ではなく、首や肩、頭、腰、膝など、様々なところの痛みや疲れ、体のだるさをとるために鍼治療をしていたのです。

診療中に、実は西洋医学による不妊治療(体外受精)を今まで行っておりましたが成果が出ていませんでした…とのこと。鍼治療も不妊症には妊娠率を高めるのに効果的であるお話をしました。

奥様は、最初、不妊治療ではなく、鉄欠乏性貧血の治療で来院されました。おそらく鍼治療には半信半疑であったと思いますが、ご主人さんのススメもあり、定期的に通院することになりました(平成19年7月初診)。仕事などの関係で週1回あるいは10日に1回の治療でしたが、1か月ほどで貧血は正常値に戻りました。それから同じペースで治療を行い、体調もよくなってきたので、8月に胚移植しましたが結果は出ませんでした。

その後、全身の血行をさらに改善(足の冷えなどもありましたので)、温かい体、柔らかいお腹をつくることを目的に、鍼治療を行いました。

ご主人さんの方が、仕事での疲れ、趣味での疲労などで頻繁に治療していました。ご主人さんの精子には問題はありませんでした。一般には、不妊症といっても40%ほどは男性不妊が存在するようです。射精の際、2~5mlほど精液が放出され、精子の数は多い時には3億個にものぼります。1ml中に2千万個の精子と50%以上の運動率がないと妊娠しずらいと言われています。

卵子をつくるのは女性、精子をつくるのは男性、当たり前ですが両者が揃い受精卵から胎児に育ってきます。女性は赤ちゃんを産まなくてはいけないため、常に閉経までその営みは月のもの(月経)として繰り返されます。ですからホルモンや自律神経のバランスの影響、体の様々な調節系、さらには外界の影響を受けやすくなっています。

男性の場合は、女性ほどの身体の変化はありませんが、近頃は男性更年期なる症状も出てきているようです(女性化してきたのか

人間の体は細胞→組織→器官→系統と大きな循環の輪の中で生かされています。自律神経を含めた神経系、筋肉系、ホルモン系、免疫系などの働きが細胞レベルに反映され、細胞で細かい調整がされ、それがまた、大きな体の部分に影響を及ぼすという、「誰がこんな緻密で精巧な働きを創ったんだ」というほど人間は巧妙に創られています。

少し話はそれましたが、不妊治療も、女性のホルモンや自律神経のバランスを整え、血行を改善し、子宮や卵巣の機能を正常にさせるだけでも、ある程度の効果はあると思われますが、男性の検査値に現れない”精子の力”を養う、つまり男性の体調をととのえ、自然治癒力を活性化することが、さらに妊娠率をアップさせるだろうと考えられます。自然の原理原則からしても当たり前のことかもしれません。

さて、話は戻りますが、平成20年4月に凍結卵を胚移植され、「これで駄目だったら不妊治療はすこしやめよう」とお考えになっていたところに、妊娠しているという嬉しい報告が聞けました。

科学的根拠などというものはありませんが、ご夫婦二人で体調をととのえられ、自然治癒力が活性化したことで、様々な要因が重なり妊娠、出産に至ったのではと思います。鍼治療も妊娠に関し効果的なパワーになったと思います。

本当におめでとうございます

これからも不妊症に悩んでいる方に少しでも力になれますように、日々勉強していきたいと思います。まだまだ未熟者ですから

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする