2月19日(土)に開催された、石川県針灸師会の学術講習会への参加報告、続きです。
講習会の中で印象に残ったことを書いておきたいと思います。講師の中崎さんの話に私の意見もブレンドだれていますので~ヨロシク
●スポーツ栄養に関しては、国際オリンピック委員会(IOC)、日本オリンピック委員会(JOC)なども合意声明を出してスポーツ選手の栄養に関する基準を決めている。
●コンディションを調整するとは=より良い食生活を行うこと。
●また、よいコンディションをづくりは、
栄養-運動-休養がバランスよく正三角形になることが理想である。
●食事で摂取する栄養素には、糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどがあり、それぞれに、体のエネルギーをつくる原料となったり、筋肉や骨など体を形作る原料となったり、その働きを助けたり、あるいは、働くべき道を示したりと、さまざまな働きがある。
●意外に栄養として見落としがちなのは「水」である。栄養素としてではなく、様々な反応の場は水無くしてはできない。水無くして体の中には入らない。人の体は60%が水である。いい水をとることは大切。これが生野菜の中には野菜自体が持つ水と、体の中に入って触媒として働く酵素が多く含まれている(48℃以上の熱を加えると、生野菜の中に含まれる酵素は死滅するらしい)。
●自分の食事のバランスをしっかり知ること。そして正しい知識を得て実践することが大事。
●五大栄養素にしても、一つだけ栄養素をとっていればいい!というようなことはない。全体の一部として働くだけである。機能性健康食品や巷にあふれる「これを食べると…」ということにも当てはまる。
●調理方法は、一つに偏らず、いろんな方法で調理したものを食べる。
●まずはエネルギーとなる主食をしっかり食べることが大切。
●メニューでは、主食(ごはん、パン、麺類など):主菜(肉、魚、卵、大豆製品など):副菜(野菜、きのこ、いも、海草など)のバランスは、3:1:2がいい。
●体格づくりには、タンパク質摂取が重要となる。だからプロテイン(粉末)を摂取すれば体が大きくなるか…というと、それは「ノー」である。体を動かした分、タンパク質が必要となり、次の運動に備えるため、筋を修復し、筋を増量するのであって、プロテインを飲んだからといって、筋肉がついて体が大きくなるわけではない。実際の科学的データもある。
●IOCの調査でも、日本でも行ってもそうだと思うが、現在において、タンパク質が不足している選手というのはほぼいない。いかにバランスよく栄養を摂取するかということである。野菜や果物、炭水化物をしっかり摂取する。
●栄養摂取の効果的なタイミングは、練習後30分以内と言われている。ゴールデンタイムとも言われている。練習後、トレーニングによって傷ついた筋肉を早期に修復し、足りなくなったエネルギーを早く補給して、筋肉の貯金を早目に増やしてあげると、効率よく疲労なく筋肉が大きくなり、疲れにくくスタミナのある筋肉になる。炭水化物とタンパク質を同時に摂取することが望ましいとも言われている。
●しか~し、それにこだわることもなく、翌日、練習がオフであったり、軽く体を動かす程度であれば、その筋肉修復、再生に必要なエネルギーを一日かけて補ってあげればよく、30分にこだわることもないということも分かっている。
●ビタミン、ミネラルも重要な栄養素。エネルギーをつくる、体を大きくする時には、これらが欠乏していては、まったく三大栄養素が働かない。
●また、激しいトレーニング、きついトレーニングというのは体の負担やダメージが大きい。それは全身に及ぶ。活性酸素が多量に出るということ。その処理にもビタミン類が必ず必要となる。
●骨の新陳代謝、筋肉の収縮・弛緩などにミネラルは欠かせない。神経の伝達や細胞内外の呼吸にも必要不可欠。その需要も高まるわけだからミネラル摂取も不可欠。野菜や果物をたくさんとる。
●シュートケーキ一個は、おにぎり3個分のカロリー
(先日テレビで、フランスで日本のショートケーキが人気だと聞いた
)
スポーツとは関係ないけど…
●スポーツ選手(トップアスリート)は栄養に関する意識が高い。水泳の北島選手、男子体操の米田選手、水球の長沼選手など、その他、多くの選手の栄養に関する言葉をパワーポイントで示された。自分の体の声を聞き、身体感覚が優れているというのはトップアスリートに共通しているが、「食」にも同じことが言えるのだと感じた。
●県内の高校選手でも、正しい知識と、常に意識して、食事に取り組んでいる子どもたちもいる。正しく指導されることも必要だし、それを素直に、自分で工夫して行うことも大事。良い成績をおさめる選手は食事もそれなりの食事をしている。
●スポーツ選手(学生)のお弁当は、まず主食であるご飯と、主菜と副菜は分けることがベター。それだけエネルギーの元となる炭水化物(糖質)をとれ
ということ。そして、分けた弁当箱の主菜が3分の2、副菜が3分の1がベター。
●もし摂取量を増やしたいなら、弁当箱自体を大きくする。出来る限りバランスは変えないようにする。
●一日タンパク質の摂取量が体重あたり~kg、これが~kg、というスライドもあったが、これはこれで研究という観点からは把握しておくことが大切ではあるが、指導する時にはあまり役立たないと思う。「こんなメニュー」という具体的な写真などがあると分かりやすい。今回も何枚か見せて頂いた。
今回は、講習会の時間が1時間30分と短かったため、栄養学の基礎的なものを教えて頂きました。私も最近は栄養に関して勉強を始めているので、いい刺激となりました。
調度、講習会の何日か前に、Numberという雑誌にトップアスリートの栄養に関しての特集が組んでありました。何はともあれ、どんな選手も食に何かのこだわりがあるな、と思いました。
他の本などを読んでの見解としましては、トップアスリートは基本的に「食べたいものを食べる」のだと思いました。ということは、おそらく内部感覚というか、身体感覚で、自分の食べるべきものが分かっているのかな~とも思います。自分に必要な栄養を知っているとでもいいましょうか。
自分が調子が悪い時、年齢との勝負をしている選手などは、さらに栄養や食を重要視しています。自分でやらなくても、奥様が栄養について勉強され、料理をつくっている方もプロの世界ではたくさんおいでになります。
今回の講習会で、講師の中崎さんと激論を
したかったのは牛乳の摂取というもの。私の質問で最後の方に、ちょっとリップサービス的に「激しい運動を行うスポーツ選手には必要なのかも…」と話しましたが、診療においては、牛乳を全く食品としてはすすめていません。逆に「飲まなくてもいいよ」と言っています。学校給食からなくなってもいいとも思っています。
その理由を書くと、さらにさらに長くなってしまうので、やめま~す
スポーツ栄養学も含めた、本当の健康な食とは
、ここのところを私自身、もう少し勉強していきたいと思っています。
いや~長くなった
二葉鍼灸療院 田中良和