7月5日に上野動物園のジャイアントパンダ、シンシンが赤ちゃんを出産しました。赤ちゃんの誕生は、どんな生物にとっても嬉しいことです。
24年ぶりの赤ちゃん誕生であり、自然交配としては初めてだということですね。
パンダと言えば、私がまだ小学校低学年の時に、両親と弟とで上野動物園へ観に行ったことを覚えています。あまりの人の多さにパンダよりも、迷子になったことの方をよく覚えていますね。
その時のパンダが、ランラン(蘭蘭) と カンカン(康康)でした。
そんな話を不妊症の鍼灸治療に通院されている患者さまとお話していました。
その時の会話です。
※この患者さまは現在、人工授精での治療を受けており、まだ高度生殖医療への
ステップアップはされていません。年齢は30代後半です。
患者さま 「パンダに赤ちゃんが生まれましたね」
二葉 「そーですね、生まれましたね」
患者さま 「シンシンにスイッチが入ったことが自然交配の成功を促したって話ですね」
二葉 「へ~そうなんですか、スイッチが入ったんですか」
患者さま 「この話題でちょっと考えてみたんですけど…」
二葉 「何をですか」
患者さま 「パンダも頑張ってるんだから、私も自然に赤ちゃんができることを
考えなおしてみようかなと思いました」
二葉 「いいことですね~」
※患者さまには、会話の掲載の承諾をいただいています。
○○さん、ありがとうございます
そーなんですよね。確かに卵子のエイジングの問題(それは精子にも言えることなのですが)や科学的に分かってきたことを考え合わせると、女性の年齢が高齢になればなるほど、早めに一般不妊治療あるいは高度生殖医療に移行していったほうが、赤ちゃんが授かる確率は高くなると思います。
しかしです、赤ちゃんを授かるという面に関して言えば、プラスかマイナスかはさておき、ヒトの脳というのは人類の進化の中で高度に発達してきたようです。何が言いたいかというと、夫婦の営みは、他の動物のように「ただ子どもを産む」だけのものではないということです。
ここはあまり詳しく書きませんが、喜びがあり、幸せがあり、充実感があり、安心感があり、心地よさがあり、温かさがあり、総合的に言うと快感ですかね。そんな肉体的に、精神的に、様々な感覚を感じることができ、絆を深めあうことも夫婦の営みの大きな目的でもあります。
身体を統御し、制御している脳が心地よく感じることで、ホルモン系や免疫系、自律神経を含む神経系が「子どもできるモード」に身体を誘導していくと考えても不思議はないと思います。
そんな中で、ある時、卵子と精子が出逢い、奥様のお腹の中で赤ちゃんが育まれるわけです。
ですから、生理周期をコントロールするような高度生殖医療であっても、夫婦の営みは大切だと思っています。その際には、お二人でよく話し合い、旦那様は、奥様がホルモン剤や排卵誘発剤を使用して、そんな気分になれない所を労ってあげ、奥様は、旦那様の気持ちや身体を労ってあげることが大事なんだろうと思います。悩まれている方は、そのご家庭でそれぞれ違うと思いますが、同じ目的に向かって、契りを結んだもの同士、少しずつ労りあうことが、その解決の道を発見する方法だと感じます。
まあ、そんなことで、患者さまの言葉には、たいへん嬉しく、また素晴らしく感じたのです。
不妊治療しているから、不妊治療しなくちゃ、赤ちゃんができないということはないのだと思いますね。赤ちゃんをあきらめて、治療をやめた途端、自然妊娠した例もよく聞かれます。
パンダ(シンシン)の出産が、いいきっかけになり、患者さまにも、赤ちゃんが授かるといいな~と思ったのでした
ちなみに、赤ちゃんを産んだシンシンばかり名前が出てきますが、お父ちゃんの名前は「リーリー」です。よろしく
第2部では、パンダ外交 のことについて少し書きたいと思います。