本釣亭日乗2

2022.7.22にt-cupブログの閉鎖に伴い2011.4月からの記事をこちらに引っ越してきました。

漱石山房記念館を訪ねて

2024-11-26 03:12:13 | お散歩



先日、手元に新潮社から「週刊新潮」が送られてきました。




2024.11.28号

P.96に「神楽坂文学散歩同行レポート~夏目漱石の足跡を訪ねて~」という記事がありますが・・・




付せんの所にバッチリ私が・・・


実は10/26(土)に実施された、新潮社「本の学校」特別企画での神楽坂文学散歩に参加しました。

コロナ禍以前は「新潮講座」にて街歩き「オカタケ文学散歩」が実施されていましたが、リニューアルされたオンライン講座の「本の学校」では街歩きは実施されませんでした。今回、久し振りに新潮社主催・健康シューズのファイブリング株式会社および神楽坂の名店の協賛を受けて新潮講座にオカタケ散歩が帰ってきましたよ!


東西線の神楽坂下車で、すぐ近くの矢来町・新潮社別館へ14:00集合



4Fホールへ上ると・・・

いつものオカタケ師匠手書きマップと解説用ワイヤレスイヤホンセットが配られます。
参加者は20名程。お馴染のオカタケ組も1/3程いらっしゃいますね!

漱石関連の貴重な書籍類の展示を眺めていると・・・

満を持してオカタケ師匠と、元・新潮社編集者の森重先生登壇。


先ずは軽妙な掛け合いで場を和和ませつつ・・・
様々な漱石ネタを披露してくださいました。
(何と、新潮社社屋の経っている場所は、漱石夫人の鏡子さんの実家跡で、漱石の帰国後は暫くその離れで暮らしていたとかね)

ホールにて、スイス生まれのウォーキングシューズJoya(ジョーヤ)を試着し、プロのスタッフから疲れない歩き方の指導を受けます。全国有名百貨店で発売中!とのことでしたが、価格については一切触れられず・・・履き心地はとても良かったです。(後で価格を聞いたらビックリ!)


そしていよいよ散歩には快適な曇天の下、新潮社屋を出てすぐ裏道に入り、歴史的な住宅の残る「奥神楽坂」と呼ばれる一帯を経て神楽坂通りへ出ます。



コボちゃんハロゥイン仕様。

植田まさし、色川武大、稲垣足穂・・・皆この界隈とのことです。


少し歩くとあるのが「相馬屋源四郎商店」


江戸時代から続く文具店。
当代で11代目!!




漱石も相馬屋謹製の原稿用紙を使用していたと。

思わず原稿用紙購入。


素敵な包装紙にきっちり包装しシール貼付してくれました!


店を出て、すぐ向かいに見えてくるのが・・・


神楽坂のシンボル毘沙門天(善國寺)。
縁日の賑わいは「坊ちゃん」の中にも描写が。
漱石の通った寄席や洋食屋もここいらにあったそうです。



道を挟んだところには花街ラビリンス!


細っそ~い路地を入っていくと・・・
玄人好みのお店多数。




旅館「和可菜」今は閉業中ですが、近日再開予定。
野坂昭如等多くの作家がカン詰めにされた名旅館。何とオカタケ師匠もこちらでカン詰め経験あり、と。





尾崎紅葉旧居跡




秋葉神社
落語「牛ほめ」に出てくる「秋葉様」はこちらとのことです。
(新しく普請をしたおじさんのところに家を褒めに行くように父に言われた与太郎。節穴に秋葉様のお札を貼るとよろしい、と教えられ・・・)







こちらは包丁塚。



矢来公園で小休止。
何と杉田玄白生誕の地。



そして、鏑木清方旧居跡でもあるそうです!



そして、いよいよやって来ました漱石山房記念館。
ここまで約1.5hの道程。


入口の漱石像の前でパチリ。

漱石が亡くなるまで9年間過ごした家があった場所。
空襲で焼けてしまい、現存する構造物は・・・


「猫等の墓」



基礎の一部

以上だそうです。


再現された書斎


「坑夫」以降の名作の数々がここで執筆されました。
夢十夜、三四郎、それから、門、彼岸過迄、行人、こころ、道草、明暗、硝子戸の中・・・




漱石さん
享年49!

最後は漱石山房記念館のホールにてオカタケ・モリシゲ両師匠によるトークショー。
新潮社と漱石の浅からぬ縁などなど。
新潮文庫、最も売れたのが「こころ」777万9千部!だそうです。



そして・・・神楽坂の名店からのお土産多数。
ありがとうございます。

終了後外は夕闇に包まれていました・・・

帰りは早稲田駅。


近くに漱石生誕の地碑発見。

オカタケ組は駅前の元気な中華系居酒屋で本日も反省会!?
乾いた喉にビールが沁みました。。






オカタケ散歩ビルぶら編

2024-10-19 01:46:31 | お散歩


2024.9.28

暑くもなく寒くもなく、ぶらぶらするには絶好の土曜日。
14:00に東京メトロ竹橋駅改札に集合した面々。
今回ののオカタケ散歩は趣向を変え「ビルぶら編」と題し、
近代建築の粋を観て回る算段です。

ちょっと早く着いちゃったんで地上へ出てみると・・・
おお、お濠に掛かった壮麗な「竹橋」が目の前に!





案内板を見ると元は仙台藩の伊達政宗公が竹で作った橋を架けたんだとか。
何枚か写真を撮っていると時間です。
集合場所の「毎日新聞社方面改札」前に戻ると皆さん既に集合。
そうです、改札と直結している毎日新聞社の入った建物が今回のスタート地点の「パレスサイドビル」。




1966年 林昌二の手によるモダニズム建築の金字塔とのこと。
円筒形の部分はエレベーターホールになっています。





これがその内部。
なにやら地球防衛軍の基地の様相。
エレベーターの呼び出しボタンが地面から生えてます。




低層階部分に食堂等を中心としたショッピングモールがありますが、そこにあるこの階段も正にモダニズム。度々映画やドラマにも登場したとのことです。


次に一行が向かったのは歩いてすぐの
「東京国立近代美術館」。




1952年 谷口吉郎の手による幾何図形の美学を追求した建築。
こちらは何と常設展示の観覧は500円(65歳以上はタダ!)だそうで、一行で入館。50分後にミュージアムショップ前に集合ということでひとまず散開、各自観覧します。
途中で気づいたが各部屋ごとに趣向を凝らした膨大な収蔵作品を観て回るのにこりゃ半日は掛かる!
原田直次郎「騎龍観音」、和田三造「南風」、岸田劉生「道路と土手と塀」等今会期展示されている重文作品に見とれているとアッという間に時間に・・・何とか集合時間に間に合いましたが、ミュージアムショップ見れませんでした(涙)
これも途中で気づいたんですが、館内作品の大半は撮影可能だそうで、気づいたときには後の祭り。改めてゆっくり伺いましょう。


この後一行は、竹橋→飯田橋→銀座一丁目→有楽町と電車&徒歩で移動。





1933年 SCR8階建てのネオルネサンス様式 明治屋



京橋の親柱
擬宝珠の乗った立派なもの。1959年に埋め立てられた京橋川に架かっていたのが「京橋」。




対になっているのはランタン付きの親柱。

ここには築地市場が開かれるまで1664年から続く青物市場があったそうです。





そして・・・銀座へやって来ました







これが奥野ビル。
ギャラリーがたくさん入っています。


一階の丸窓とたわわに実った柘榴の木が印象的でしたが・・・
何と!



手動式のエレベーターが現存しています。
上の階数表示板、映画で見たことありますね!?
勿論、電力で動いてますが、人が乗り降りする際は各自が手でドアを開け閉めするんですよ。


そしてまた移動


新橋の駅前SL広場では丁度古本市を開催中でしたが師匠の電池はそろそろ切れてきたようで後ろ髪引かれる思いで物色は無し・・・



 

この特徴的な壁面は「ニュー新橋ビル」。よくニュースでサラリーマンが街頭インタビュー受けてる所です。
 



オカタケ師匠もビックリ。
内部に貼られたタイルは一枚一枚職人さんの手焼き。
階段の横には隙間があって、階下の光や食べ物のいい匂いが漂ってきます。



そろそろ(早くも?)有志による打ち上げの時間ですかね!?
「この辺は庭だ」とのM先輩のエスコートで全員でガード下の居酒屋へ・・・





電車の通過音も乙なツマミかな!?
乾杯前に喉が鳴る。



そしてこの日はオカタケ散歩常連メンバーの直木賞研究家・川口則弘先生の著書「文芸記者がいた!」が先日、本の雑誌社から出版されたのを記念して皆で乾杯!!オメデトウございます。





黒子に徹した新聞、週刊誌等の文芸記者たちが勃興期からどのようにメディアを盛り上げ、今日の文学賞ブームを作り上げたのか?この先の文芸の向かうところはどこなのか?直木賞・芥川賞研究に心血を注いだ著者だからできた労作です。2022~2024年にかけて本の雑誌に連載された「文芸記者列伝」に大幅加筆修正を加え、24の章立てで非常に読み易くかつ文学好きには堪らない裏話の連続となっています。




記念にご署名いただきました!

次は忘年会ですかね?




一年の経つのはほんとに早い・・・






「パーフェクト・デイズ」ロケ地を歩く(追記あり)

2024-06-23 01:55:25 | お散歩
20240601

今回のオカタケ散歩は以前から盛り上がっていました。
ヴィム・ヴェンダース監督の「パーフェクト・デイズ」、昨年、第76回カンヌ国際映画祭にて役所広司に最優秀男優賞をもたらした名作です。そのロケ地を巡っちゃおう、と。

いつものメンバーの中には「8回」観た猛者もいて、「観るたび新たな発見がある」と。私も3月に日比谷シャンテで観ましたが、もう一度観たいな~と思ってるうちに近くでは終了。

役所広司演じる「平山」は、東京の公衆トイレの清掃員。
多数の本と60~70‘オールディーズカセット、鉢植え、布団の他これといった家財もない木造アパート。
日の出と共に目を覚まし、いつものように洗面を済ますと車のキー、コイン、ガラケーをポケットに入れる。玄関を出ると空を見上げ微笑み、缶コーヒーを一本買う。掃除用具を満載した青い軽バンに乗り込み仕事場へ向かう。
いつもの角を曲がるとカセットを押し込む。カーステレオから流れるのはThe Animalsの「The House of Raising Sun」等々。

仕事の合間にはいつもの公園で木漏れ日を楽しみながらサンドウイッチで昼食。
夕方にはアパートに戻る。自転車で銭湯へ行き、いつもの店で一杯。夜は寝落ちするまで布団で読書。
単調だが本当に自由・・・
しかし、ある日思わぬ出来事に彼の心は小さく揺れる・・・

ざっとこのような筋ですが、ヴェンダース監督の細部への拘り、役所広司の感情を内に秘めた演技に心はざわついたり解放されたり・・・とにかく素敵な映画でした。


当日は小田急小田原線「代々木八幡」に14:00集合。



少々歩いて・・・




代々木八幡宮



の麓の「キノコトイレ」。
平山がここで見知らぬ人と往復書簡で○×遊び。


階段を上って八幡宮のベンチへ・・・





平山ベンチでサンドウイッチ頬張りながらパチリ。
「KOMOREBI」








隣接する公園には・・・





「透明トイレ」

人が入ってカギ閉めると全面ガラスが不透明になります。
(冬場は気温の関係で不透明化ができず使用中止と!)

この辺りで劇中では同僚役の江本時生演じる「タカシ」との絡みが秀逸。いい加減なヤツだけどどこか憎めない・・・



公園内・・・


作中ではこの木の下で田中泯演じるホームレスが踊ります。
(写真は田中泯の踊りを再現する師匠)



続いて大きく電車で移動。




JR亀戸駅で下車。


師匠のススメで「パ」とは関係ないが一行は少し離れた「亀戸天神」へ向けて歩きます。

広い敷地内には見事な池やら橋やら・・・
各自15分程散策。




平山も見上げたスカイツリーも近いです。




そして、そして・・・




やって来ました平山アパート。
現在も住んでる方がいらっしゃるので、そ~っと観覧。


この後、さくら湯やあわよくば劇中登場の焼ソバ屋等々訪問プランもあったのですが、生憎師匠の電池切れ。


亀戸駅前までバスで戻り、居酒屋で打ち上げ。

作中では「本」「カセット」が見事な小道具として使われており、あった平山の本棚に○○があった!とか、カセット屋に○○氏がいた!とか何度も見た人の発見で盛り上がり。

作中、重要な本として取り上げられるのがパトリシア・ハイスミスの「11の物語」、ハヤカワ文庫では好評を受けて4月に久しぶりに増刷。古書値がつり上がっていましたが、やっと手に入り読了。観てから読むのも良いが、読んでから観るのもおススメ。

同様、フォークナーの「野生の棕櫚」も中公文庫から昨年11月に出されまして、手に入りました。

幸田文の「木」はホントに泣けてくる。こちらは以前から座右の書です。

名残惜しくも、店の二時間縛りにあい、この日は解散。

翌日予定ありのウチ●は帰宅の途につきましたが・・・
西の方角へ帰る方々は高円寺の二次会でさらに盛り上がったようで・・・


ウチ●は
地元に進出のちゃん系ラーメンで締めました。


ニューともちん
ライス無料で700円。
味も好みです。リピ決定!



追記:その後たまたま読んだ石ノ森章太郎
「佐武と市捕物控 江戸暮らしの巻」ちくま文庫



60年代後期から70年代前期にかけての石ノ森の野心的代表作ですが、作中の「めでたさも中位なり江戸の春」というエピソードに亀戸天神の「鷽替え」という行事がモチーフとして取り上げられていますねぇ~。


追々:本日、太田和彦先生の「居酒屋道楽」河出文庫
を読んでいたら、バスでぶらりと亀戸やら門前仲町に飲みに行く話がありまして、挿入エピソードに昭和23年千葉泰樹監督「生きている画像」(出演:大河内伝次郎・藤田進・笠智衆)という作品を観たら、売れない画家役の笠智衆が、夜の亀戸天神・藤棚の掛かる太鼓橋で意中の娘と会うシーンがあると!
これはまさに上のスカイツリーの写真を撮った辺りですねぇ~

  



小津の生まれ故郷を巡る

2024-04-16 01:03:03 | お散歩

20240406

当初の桜開花予想を大きく裏切り、遂に満開を迎えたうららの土曜日。

池波正太郎も、「深川という土地は、江戸の[水郷]といってよいほどの風趣があり、『江戸であって、江戸ではない・・・』一種の別天地だったのである。」(※剣客商売)と、誉めそやした深川を恒例のオカタケ散歩で歩いてきました。

東京メトロ東西線の門前仲町駅に14:00にいつものメンバー集合。
本日のお題は・・・

「小津安二郎の深川を歩く」です。

過日、カンヌ、アカデミーでも話題を振りまいたヴィム・ヴェンダース作品「PERFECT DAYS」。

ヴェンダース監督は小津へのリスペクトを公言して止まない監督として有名ですが、その小津が生まれたのがここ深川。

一行は先ず「東京深川モダン館」を目指します。




徒歩3分程で到着。


旧東京市深川食堂の建物をリノベし、絶妙な無料観光案内所に変身。
一行は早くも特別に提供されている100円コーヒー片手に各種パンフ、案内漁りに余念がありませんねぇ。


清澄通りを北上し・・・
法乗院(深川ゑんま堂)に寄り日本最大級の閻魔大王にお目見え。





そして、その先に・・・




ありました。「小津安二郎生誕の地」。現・深川一丁目。
当地にあった豪商の「湯浅屋」は干鰯や海産物を扱う問屋でした。

明治36年、湯浅屋の次男坊として生まれた安二郎はその後三重県松坂に転居していますが、松坂で観たハリウッド映画に影響を受け映画監督になろう!と決めます。
大正12年、現在の深川二丁目に戻った安二郎は念願の松竹キネマ蒲田撮影所に入社。中国従軍などを挟み名作を製作し続けます。

特に「原節子」を起用した戦後の作品群等は、家庭や家族の在り方、老いや別れを描き現在も国と時間を越え共感を集めています。




更に、仙台掘り川に向け歩を進めると見えてくる海辺橋。
そのたもとにあるのが「採茶庵跡」。

芭蕉さん、「奥のほそ道」は弟子でパトロンの杉山杉風(すぎやまさんぷう)から借り受け、しばらく暮らしていたここから出発しました。

杉風は御用達の魚問屋で、五代将軍綱吉の悪政「生類憐みの令」には芭蕉共々苦しめられたようです。(「悪党芭蕉」嵐山孝三郎:新潮文庫に詳しい)



芭蕉とツーショット。悦に入る師匠。



仙台掘り川沿いの桜は咲き乱れてます。

師匠から「ウチ●君、ここで一句」と急に振られますが・・・
そんな急には出ませんよ(汗)




帰宅後捻る

春北風旅立つ朝に緋縮緬はるならいたびだつあさにひぢりめん





次は小津が通った「明治小学校」前を通り富岡八幡宮へ向かいます。





重文指定の旧弾正橋を通り・・・






富岡八幡宮

こちらはいろいろ見どころあります。
金ピカ神輿や大相撲関連の様々な記念碑、


実物大。師匠も180位ですが!?





実物大。




伊能忠敬もこの辺りの人。
ウォーキングの人達の聖地になってるらしいです。


八幡宮を出て
ここらで休憩。

コンビニで各自ビールなど購入。
佃煮やでツマミも購入。

古石場川親水公園の流れに架かる「小津橋」。
小津家が私費で架けたとのこと。




公園脇の満開の桜を愛でながら軽く一杯。



そして、ほろ酔い気分で「江東区古石場文化センター」を目指します。




こちらは、無料の「小津安二郎紹介展示コーナー」があり、貴重な資料や様々な興味深い展示物がありました。ファン必見です。
(残念ながら撮影は禁止なので画はありません・・・)



心地よい疲労感と共に本日ここで一次解散。
と、言っても大部分の方は二次会参加。

門前仲町の居酒屋で「パーフェクト・デイズ」、「SHOGUN」、その他盛りだくさんの本の話題等で大盛り上がり。

まだ話し足りない面々は更に河岸を変えて・・・



深川表参道にある角打ちの名店「折原商店」

店内に巡らされた冷蔵ケースから自分好みの酒をカウンターに持っていって、希望のサイズの酒器に注いでもらいます。(瓶に値段表示あり)
当然キャッシュオン。
美味い酒だらけでどうしよぉ~、って感じでした。

乾きものプラス気の利いたツマミも色々と・・・




追:長い事積んであった「闇の釣人」(やみのつりゅうど)長辻象平:講談社を読み始めました。新開の水の都・本所深川で犬公方に対抗すべく集結した闇の釣人たちの物語。池波作品を思わせるような釣り好きにはたまらない作品ですよ!






山田太一を知っているかい?

2024-02-13 01:23:55 | お散歩


20240213

去る2023年11月29日に脚本家の山田太一さんが89歳で亡くなられた。

80年代後半から90年代にかけて百花繚乱だったトレンディードラマの脚本家の多くも山田太一トリビュートだったはずだ。
しかし、山田さんは視聴率一辺倒の業界には背を向けるように連続ドラマ枠からは撤退をされてしまった・・・

私も昭和50年代の後半は中学・高校生でいろいろ考えの多い時期だったので、とても山田ドラマを家族と一緒には見られなかった。
独り別室で夢中になって「思い出づくり」や「ふぞろいの林檎たち」を観ていたのを思い出す。
当時のドラマの常識を覆すような描写に加え、とにかく印象に残る音楽(サザン然りザンフィルも)が今も耳に残る。

そして、オカタケ師匠も山田太一ファン(「男たちの旅路」推し)の一人として今回、急遽「追悼・山田太一 本郷散歩」を企画されたのだった。

※本郷は「ふぞろいの林檎たち」のロケ地が点在するところ!





1983年 大和書房 こちらで予習。
シナリオだが読み易い!
(山田太一高騰中。)


2024.1.27(土)

寒い冬の日。丸ノ内線の「本郷三丁目」駅前に集合。


面々は先ず歩いて5分ほどの「文京ふるさと歴史館」へ。
こちらは一般入館料100円掛かるが、「江戸」に興味のある方は豊富な収蔵品にきっとそそられるハズ。
文京区ゆかりの文豪関係も多数。



館内を一通り楽しんだ後は程近いところに・・・





炭団坂(たどんざか)の上に坪内逍遥旧居跡(常盤会跡)が。

かの正岡子規もここからの眺めを楽しんだ!?
文京区は史跡の紹介に力を入れているようで。

ここを下るのが炭団坂。



「ふぞろい」の当時は階段は無く急な坂道。

第4話で中井貴一(仲手川良雄)と高橋ひとみ(伊吹夏恵)が一緒に歩く。
好意を伝えるが撃沈する良雄。


「宮沢賢治旧居跡」等眺めつつ・・・


こんな建物も・・・
木造3階。手前に井戸。





「男はつらいよ」にも登場した
梨木坂(なしのきざか)を上り・・・



登録有形文化財指定の「鳳明館」横目に






樋口一葉ゆかりの「旧伊勢屋質店」


24歳で早世するまでお世話になったと。




そしてこちらが・・・
良雄の自宅「仲屋酒店」として使用された建物。



そのまま営業中!

良雄の兄・耕一(小林薫)、その病弱の妻幸子(根岸季衣)。
幸子に対し、これでもかと嫁いびりをする母・愛子に扮する佐々木すみ江の演技が壮絶だった。



こちらは徳田秋声旧宅。



見事に保存。。




本郷通りに戻ってすぐに・・・


旧加賀屋敷御守殿門
今言うところの東大赤門。

本郷界隈は多くの史跡が戦災で焼けずに大切に保存されている街だった。


そして、東大前にはシブーイ喫茶店やリーズナブルな中華料理店が点在。
喫茶「ルオー」で一服し、最後は中華で打ち上げ。(中華はびっくり価格)


山田太一の作品や石原真理子、河崎秋子、panpanyaなどの話を肴に町は黄昏ゆく・・・