8月15日が巡ってきます。この日には多くの方が深い感慨を持っておられることと思います。
もう10日早ければ、あのヒロシマも、ナガサキも無かったのに…、もう半年早かったら東京大空襲も、沖縄地上戦も無かったのに…、等々、諸々の想いと後悔、さらには悲しみ、苦悩、怒り、怨念・・・の想いが、それぞれの方の胸の内に渦巻いていることと思います。
戦後に生を受けた私達ですら、その日に深い感慨を抱いていますが、私達より上の世代の方たちの感慨はさらに深いものがあろうかと想います。
「むくげ 八重」
ただ、誤解を恐れずに申し上げると、この日を境に私達庶民は「ゆえなく殺されることが無くなった」こと、そして命令により戦場に赴くことが無くなった事は事実と思っています。そしてその日から79年の歳月の中で、私達の国は戦争をすることなく今日に至っています。その戦争をしない、させない一翼を日本国憲法9条が担ってきたと改めて思っています。
そしてこの条文を変えようとする数多の勢力と対峙し、条文の持つ意味を広く明らかにし、守り育ててきた多くの方たちの存在と、その粘り強い闘いがあったこと、そして今も続いていることを心に刻みたいと思っています。
国の内外において、筆舌に尽くしがたい犠牲と、底の抜けるほどの苦悩と、哀しみの蓄積と引き換えに手を入れた日本国憲法。改めて申し上げることではないのですが、日頃交流のある若い世代の方達から少なからぬ質問もありましたので、くどい説明となりますが、少し触れたいと思います。
私達の国の憲法は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の三原則が貫かれています。国民主権は、国の政治の決定権が国民にあるという考え方です。国民が選挙で代表を選んで、その代表が国を運営をすることを明示しています。そこには選ぶ見識と責任、その結果を監視する責任も伴うことを明記したいと思います。平和主義は戦争を放棄し、武力による威嚇や武力の行使をしないという考え方です。さらに、基本的人権の尊重は、人が生まれながらに持っている、生きる権利や自由を大切にする考え方を言います。
なお、憲法は、国民を縛るものではなく、むしろこの国の為政者を縛るものと考えます。この点の誤解が為政者の方に未だあることを憂いたいと思います。具体的には、憲法は国の政治の基本を定め、国民の権利を明確にし、国家の統治に関する規定を含んでいることを付け加えたいと思います。
「夾竹桃 白色」
ここでいう平和主義の根幹をなすものに、日本国憲法9条があります。この条文では戦争の放棄と、武力による威嚇や武力の行使を禁止しています。自衛隊は、あくまでも自国の平和を守るための存在であり、海外への武力行使は認められていません。さらに、戦争の悲惨さを二度と繰り返さないために、平和な国づくりを目指すことを明確に示しています。これらは、私たち日本人の暮らしや社会のあり方に深く関わっており、ロシアのウクライナ侵略の惨状、さらにガザでの殺戮が未だ続く中で、今もなお重要な意味を持ち続けていると考えます。
なお、戦争の悲惨さに触れる際に「大東亜共栄圏」の名のもとに、中国、東南アジア、太平洋諸島など、多くの地域を侵略し現地住民の方々に多大な犠牲をもたらした事実と加害責任を、私達は日本国民として忘れてはならないものと考えます。
昨今、自衛隊とアメリカ軍は、共同訓練の頻度や規模を拡大しています。複雑化する国際情勢の中で、有事の際に迅速かつ効果的に対応するためにとのことですが、両国の連携強化が「指揮系統の統合」という実態に向かっています。これらに対して、日本国憲法は国民主権を原則としており、外国の軍隊の指揮下に入ることは、いかなる理由付けをしようと、この原則に反することを改めて申しげたいと思います。
「高砂百合 鎮魂の思いを込めて」
縷々申し上げてきましたが、敗戦記念日を前に二度と再び「今を戦前にしない」との想いを込めて纏まりの
ない文を認めました。
私達は、戦後に生を受けながらも、戦争と、その戦争のもたらした悲劇を目の当たりにして育った世代の一人です。戦争の悲劇と惨状を身をもって味わった私たちの父母たち、また私たちが青春時代に接した生きたくも生きられなかった被爆二世や、体内被曝の十字架を背負った友たちの、言葉に表現と切れなかった悲しみに満ちた想いの数々。その想いのひとかけらでも拾い、咀嚼し次の世代に伝えていく使命を私たちには課せられているとの想いがあります。
改めて戦争に向かういかなる流れにも「否」というささやかでも、きっぱりとした声を上げ続けて行きたいと思っています。その意味で、2024年長崎市長も「平和宣言」で述べていましたが「一人ひとりは微力であっても、無力ではありません」の言葉通り、草の根の一人として微力ながらも声を出し続けたいと思います。
終戦記念日を前にして、ここまではっきりとお書きいただきありがとうございます。
私は18年生まれですから戦前の生まれです。
記憶は殆どありませんが、それでも防空壕に入った記憶が残っています。
また叔父が満鉄に奉職しましたが、敗戦とともにシベリアに抑留されました。
叔母は二人の幼児を抱えて朝鮮半島経由で命からがら帰ってきました。
その悲惨な話を聞くにつけ「戦争は絶対にしてはならない」と思いました。
戦争に向かう流れにはきっぱりと「否」の声を上げ続けていきたい。
まったく同感です。
しかし やはり正確には 日本は "無条件降伏" による戦争終結。
ちょうど今 NHK朝ドラ「虎に翼」では
「原爆は非戦闘員を大量殺戮した国際法違反」を
取り上げています。
「無条件降伏」ゆえに国際法違反を問い難くなり
「サンフランシスコ講和条約」でその権利を完全に放棄した、と。
NHKとして たとえドラマであれ
この重い事実をどこまで追究できるか…注目しています。
第二次大戦では日本と同じ枢軸国であったドイツ、イタリア。
ドイツでは 最後はヒトラーが自殺し幹部が投降。
イタリアではムソリーニはパルチザンに処刑され敗戦を迎えました。
しかしドイツにもイタリアにも
「日米地位協定」のような不平等条約はありません。
原爆、不平等条約など 根源には "人種差別" もありましょう。
しかし無茶苦茶な戦争を始めて とことん敗けてもなかなかやめず
最後は 何もかも無責任に放り投げた人々がいたことが
戦後日本の総て!の出発点ではあります。
> 「否」というささやかでも きっぱりとした声を…
ささやかではありません。
大切な 大事な「否」であり 心にひびく一声です。
久しぶりにShouさんの根幹を見るにつけ共感し、私も全く一緒の考えですので全文異議なしと書きます。
文中の「もう10日早ければ、あのヒロシマも、ナガサキも無かった」の文章も同感で、私などは昭和の天皇陛下の人間性及び天皇としての資質すら疑っていました。
今日も行雲さんのコメントにも書きましたが、戦後80年近く経過し世界各地で起こった大戦の恐ろしい事実を忘れかけています。為政者は常に己の欲望を満たすために、戦争へと突入して行きます。Shouさんの書かれた全文は日本国、全世界人類の規範ともなるべきものと思います。
「戦争なき世界の平和」これを全人類は肝に銘じて
歩んで行かねばならないと思います。
早々にコメント頂きありがとうございます。
日本の無条件降伏によってもたらされた「終戦記念日」には、戦後に生を受けた
世代の一人ではありますが、諸々の想いがあります。
ましてや、戦争の日々を記憶に刻まれている世代の方にとっては私達以上に深い
想いがあろうかと思っています。
「行雲流水の如くに」さんは「防空壕に入った記憶が残っています」との
事ですが、その後に続く親御さんたちの御苦労された事実もおぼろげながらでも
記憶にも残っていることと思います。
ましてや、叔父様のシベリア抑留、さらに叔母様の引き揚げの旅は文字通り
命がけのものであったことと思います。多くを語らなかったその想いの行間に
滲む想いは私達も知る由はありませんが、想像を絶するものもあったと考えます。
その方たちが語る「戦争は絶対にしてはならない」の言葉には、戦争とその結果が
もたらす現実が裏打ちされ、私達の想像をはるかに超えるものがあったかと思っています。
その想いのひとかけらでも拾い、咀嚼し次の世代に伝えていく使命を私たちには
課せられているとの想いがあります。
私の父母たち、また青春時代に接した生きたくも生きられなかった被爆二世や、
体内被曝の十字架を背負った友たちの想いを、何らかの言葉にして次の世代に
引き渡す役割を果たせたらと思っています。
その意味で長崎市長も述べていましたが「微力であっても、無力ではありません」
の言葉通り、草の根の一人として微力ながらも「否」の声を出し続けたいと思います。
これからも諸々ご指導頂ければと思います。よろしくお願い致します。
早々に、コメント頂きありがとうございます。
おっしゃる様に「"無条件降伏" による戦争終結」ですから「敗戦記念日」と
表現することが正確と思っています。
また、「原爆は非戦闘員を大量殺戮した国際法違反」は事実ですし、
"無条件降伏" いかんにかかわりなく、国際法違反を問うことは正当な権利として
行っていくことは必要と感じています。これには時効は存在しないと思います。
「ささやかではありません」とご指摘いただき、ありがとうございます。
今、「小さな声」も、このようなネットを含めて発信しやすくなっていますが、
その声が「心にひびく一声」として、うねりとなって心ある方に届いていくことを
願いたいと思います。
色々アドバイス頂きありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。
いつも力強いエールを頂きありがとうございます。
今回、私の想いの一端をかなり抑えて書かせて頂きましたが、想いを汲み取って
頂きありがとうございます。
今、なし崩しに「戦争に組み込まれて」いく事態が進んでいます。その一端が
「指揮系統の統合」と考えています。政府が関与することなく異なった意思決定の
下で戦争に組み込まれる事態が、静かに進行する事態を私たちは直視する必要が
あると考えます。
また、国会を無視して閣議決定のみで主権にかかわる決議が、縷々進行する事態に
私達は声を上げていかねばと思っています。
これは与野党関わりなく、国会の本来の在り方を取り戻す取り組みとして、
議員の方にも緊張感をもってやって頂かねばと思っています。
これからも、色々ご意見を伺えれば嬉しいです。よろしくお願いいたします。