第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)ネット歌会
短歌の返歌を歓迎します!!
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
☆☆☆ 「ネット歌会」について
「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
「薔薇 アイスバーグ」
☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
注) ☆:元歌 ★:返歌
☆突然の眩暈を起し思うのは 日頃と違い「一に健康」
西BOOさん
★迫力の風と波との渦潮をゆれながら見た遠い秋の日
夕庵さん
★温暖化 「台風来るぞ」思えども 少ない事も異常気象か
西BOO
★温暖化のツケで地球が軋みだし 人が狂えば熊も狂いぬ
夕庵さん
★熊の保護 生活圏に降りて来て 人の命を保護する時ぞ
西BOO
★テディベア 親子のベストが似合ってる 今日はちょっぴり淋しそうなり
夕庵さん
☆真夜中に電気あんかの線入れる 凍える寒さ今日は立冬
西BOOさん
★いずくより聞こえる音の不気味さや 家も呼吸(いき)する真夜中のこと
夕庵さん
☆朋友の訃報届きて 見上ぐれば 冬天澄みて 青 極めけり
みっちっちさん
★今日の日を悔いなく過ごすと務めよう 人の命のわからぬならば
夕庵さん
★今日の日の悔ひも涙も流さむと ざぶりざぶりと髪を洗はむ
みっちっちさん
★増えてきた白髪も愛しこれからは このままでいい あるがままいく
夕庵さん
★ピアスなく化粧もなくて 我が日々は 笑顔取り柄のスポーツウーマン
みっちっちさん
★いつも会う笑顔素敵なあの人は三人の子のシングルマザー
夕庵さん
☆残照の下校の道に 椿咲き 恋の話の引きも切らずに
みっちっちさん
★あと一歩踏み出せぬまま過去形の 恋の話は切なかりしよ
夕庵さん
★言い出せぬ恋よ 下校の靴置き場 君を探せし切なき日々よ
みっちっちさん
★一足の 眠れるごとき重き靴 心模様を映す下駄箱
夕庵さん
★純粋に恋に恋した若き日のテニスコートは今も健在
夕庵さん
★若き日のテニスコーチへの憧れは 自己に厳しきことへの憧れ
みっちっちさん
★なかなかに厳しきこと自問する 昨日の言葉に自信を持ちて
夕庵さん
★スポーツの向上なるは なかなかに 一歩一歩の はるかなること
みっちっちさん
★何事も努力あっての前進と墨擦りはじむ朝のひととき
夕庵さん
★卓球のラケット見れば傷多く そつと拭きたる朝のひととき
みっちっちさん
★晩秋の冷えゆく夜は古傷も疼くことあり 腰に手をあて
夕庵さん
✰一足の眠れるごとき重き靴 心模様を映す下駄箱
夕庵さん
★見上ぐれば こころ模様を映すやに 彼(か)のかなたへと彩雲走る
みっちっちさん
★彩雲を病窓に見た君にこそ 全快の日はきっと近いと
夕庵さん
★高台のこども病院 無菌室 窓辺の虹に喜ぶ子らよ
みっちっちさん
★窓ガラス キュッキュッと磨き遠くまで見渡す稲田に風ふき渡る
夕庵さん
「木守りの柿」
☆美しき背信なるや帰り花 日差しに火照る 我がこころさえ
みっちっちさん
★許されぬ背信なれどこの恋に 生きてもみたし今生の夢
夕庵さん
★この恋は許されぬもの 花ならば 狂咲きとて もてはやさるる
みっちっちさん
★人間の理性を信じ生きる術 ひとつの恋の成就こそよし
夕庵さん
★月光の下に誓ひし愛 永久に 続けよ 月の欠けてゆきても
みっちっちさん
★月明かり かざすグラスの乾杯に今年も会えた それだけでいい
夕庵さん
✰秋雨の弔問 ましてや姪ならば涙に迷う山科の道
夕庵さん
★大切な方亡くされた悲しみよ かなたの空へ虹を届けむ
みっちっちさん
★架けくれし虹を渡って涙川 今し越えゆく姪にしあれば
夕庵さん
★戻り橋に戸惑ひつつも虹渡る その白き顔 今し忘れず
みっちっちさん
★堀川の戻り橋に佇みて 待つ人 行く人 ドラマを生まむ
夕庵さん
☆裸木の河津桜の帰り花 楚々たる花は風に真向かう
ポエット・M
★美しき背信なるや 帰り花 日差しに火照る 我がこころさへ
みっちっちさん
★帰り花 惑いて咲くも己が命 火照り遥かに闇に散りゆく
ポエット・M
★かりそめの命なるやも 帰り花 咲き増ゆることかなはずもなほ
みっちっちさん
★かりそめの命なれども 帰り花 実り求めずなおも咲きつぐ
ポエット・M
☆裸木の河津桜の帰り花 楚々たる花は風に真向かう
ポエット・M
★愛犬は潮風うけて砂浜に 毛並み逆立て凜と立ちおり
夕庵さん
★潮風に毛並み逆立て愛犬は なに真向かうや 虚空見つめて
ポエット・M
★潮風に鍛えた漁師は腕組みし天候いかにと虚空を睨む
夕庵さん
☆帰り花 惑いて咲くも己が命 火照り遙かに闇に散りゆく
ポエット・M
★闇深く散りし恋ゆえ誇らしき しみじみ語る傷秋の夜に
夕庵さん
★実らずに散りし恋ゆえ今もなお 秋愁に淡くよみがえりくる
ポエット・M
★晩秋の風が身にしむ夜の更けに 人恋しくてアルバムを繰る
夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆
「陽だまりに未だ咲く 芙蓉」
【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・
★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
頂きありがとうございます。
短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
お寄せ頂ければ嬉しい限りです。
【運営にあたって】
(1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
(3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
了
☆真榊のおまけに付いた紙垂と紙「ほんのきもち」と記されてあり 西BOOさん
★のし袋に「ほんのきもち」とひらがなで 100円ショップにやさし日本語 夕庵
よろしくお願いします。
☆秋深し紅燃ゆる塩沢は 文豪愛する文化の香り 浅間山明鏡止水さん
★文豪の旧居は奈良の高畑に「暗夜行路」を編みしサロンは 夕庵
よろしくお願いします。
☆父逝きし寒夜の月を見上ぐれば 凍へんばかりに我が身震へし みっちっちさん
★幾たびぞ月を見上げて願いしは この身の脱皮を夢見た日々よ 夕庵
☆亡き父の温き胡座に包まれて可愛ひがられし 我今もなほ みっちっちさん
★ほっこりと胡座にまるく位置占めてしばしの夢にまどろむ子犬 夕庵
よろしくお願いします。
109回第二部のクロママさんの作品への返歌です。
☆誰を待つ、 ポツンとひとつ 椅子一つ 木洩れ陽ひかる 枯葉舞う道
★「花を見て」と 椅子を置きたる少年が
出て来るマンガを思い出したり
◎山口美由紀さん著の「フィーメンニンは謳う」というマンガで、ある日主人公の少女が道で、歩く側の反対を向いて置かれている小さな椅子に気づきます。それは、“花畑”を道ゆく人に見てもらおうと思って、彼女とはほとんど話もしたことがない同級生の少年が作って置いたもので彼が言うには、この椅子に気付いて足を止めたのはあんただけだ、なんだそうで……。というシーンがあったんです。このファンタジー作品の導入部の大事なシーンだし、好きなシーンなので印象に残っているんですね。クロママさんが見られた椅子も、かつて誰かが景色をみてもらおうと置いたものだったりして…。と思い、このマンガのこのシーンを連想したので作った歌です。ベンチならよくあるんですが、“一脚の椅子”というのは、想像をかき立てられますね。
返歌を、詠ませて頂きたいと思います。
✰のし袋に「ほんのきもち」とひらがなで 100円ショップにやさしい日本語 夕庵さん
★100均に売っていると頼まれて 商品見ると220円 西BOO
よろしくお願い致します。
⭐️幾たびぞ月を見上げて願いしはこの身の脱皮を夢見た日々よ
夕庵さん
★月光に敗戦の日を慰めむ 明日には脱皮せし我を見よ
(卓球の試合に負けた日を詠みました)
みっちっち
⭐️ほっこりと胡座にまるく位置しめてしばしの夢にまどろむ子犬
夕庵さん
★その場所は誰(た)にもやらぬと幼き日 父の胡座に眠りし我よ
みっちっち
よろしくお願いいたします。
⭐️秋去りて冬の気配の濃くなる日 優しき小花のパジャマを縫いぬ
夕庵さん
★夜なべして瑠璃色セーター編みくれし 亡き母の背の丸きを偲ぶ
みっちっち
よろしくお願いいたします。
夕庵さんへの返歌、次になおします。
敗戦だとどうしても戦争を連想しますので
★月光に試合の負けを慰めむ 明日には脱皮せし我を見よ
いつも申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
☆100均に売っていると頼まれて商品見ると220円 西BOOさん
★ダイソーは楽しい迷路買うことを忘れ便利な品に目移り 夕庵
思わず笑ってしまいましたよ。
よろしくお願いします。