ハードパンチャーしんのすけさんが『本を読め!コノヤロウ!!』で紹介されてたそうで、早速買ったのですが、卯月妙子の『人間仮免中』、読みました。パチパチ!
ちょっとしばらくは感想が書けないくらいに、しみじみと味わっておりました。今でも、感想とかぬるいことは言っていられないのですけど。
以前から、自死対策やテレホン相談、障碍者施設への慰問などを通して、世の中を「生き辛くセーフティネットが無い」と感じている人たちより、平気で道端にゴミを捨てる人、駅員や店員に大声で怒鳴る人、イエスマンのみを友人としてネットの中の王様女王様になり、自分本位の意見を書いたり、決して反省や謝罪をしない人、、、、、、などの方がよっぽど精神を病んでいるじゃないか、などと、それこそ悶々と考えていたのですが、何だか、当たり前のところへ自分の答えが着地した感じがしました。ちなみに、かなりアレな描写があるので、世の中のきれいなものだけ見ていたい人にはすすめません。
※卯月妙子はマンガ家、舞台女優であると同時に、排泄物やミミズを食べたりする企画物AV女優です。幼児期から統合失調症を患い、中学生で初めての自殺未遂、その後、7回の入院(うち2回は措置入院)、という、ちょっと書ききれない、、、半生を送っています。
「人間、外見じゃない、中身だよね」
とは、もはや使い古された言葉ですが、相変わらず雑誌や新聞は「いかにして今の自分の外見を、より美しく見せるか」という広告にあふれています。
そんな中、卯月妙子は美人という誰もがうらやむ所有物を捨てることにより、「宝箱を開ける鍵」を手に入れるのです。その鍵は、人生でほとんどの人が見つけられずに死んでいくものです。
命は誰でも一人、一つしか持っていません。その命を使って行うことを『使命』というそうですが、自分の使命はなんなのか?
命を賭しても得たいものはそれぞれでしょうが、お金、地位、名誉、家族、、、、それを本当に得ているのか。
生きているだけで最高だ!と、今この瞬間に言えないのなら、いつ、あなたは最高になるのか?
小学生の時に読んだ、手塚治虫(もしかしたらアシスタントかも)の読み切りマンガに、自分の顔をつぶす話があったんだよなー。なんてマンガだったんだろ…。
美を捨てた時に、何が残るのか?その時、見えるものは何なのか?
…いや、問題は、美なんて初めから持っていないことに気づいていないことか(^^;)
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