北へ帰る群れはやがて隊列を整えて木曽川をさかのぼる方向に飛び去ってゆきました。日本列島の各地に越冬していた白鳥たちは、一度北海道に立ち寄ってから、更に北方の北極圏のツンドラ地帯へ向かうそうです。今年の幼鳥が大人色に変わり、新たな幼鳥を連れて戻ってきてほしいと願うばかりです。
幼鳥の飛行能力が確認できるまで辛抱強く待ち、絶対置き去りにしてゆかないそうです。「それにしても今日の群れの飛び方は、今まで毎年見ていた中で一番のイベントだ!!」。ほぼ毎日通い続けて7年になるという、色々教えてくれたベテランの方が声を出して興奮気味に空を見上げました。
川に降りたファミリー以外は餌場に着水しません。上空での旋回を続けています。約4か月の間、朝晩食事した場所の記憶を確かなものにしているのでしょうか。もしかしたら名残を惜しんでいるのか、そんな風に思いたくなるような飛翔が続きます。