教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

〆切直前に受け取ってはいけないもの

2006年11月29日 23時55分55秒 | Weblog
 今日は運動する気にならず、そのまま登校。論文執筆にかかるも、なかなか集中できず、いくらか修正はできましたが、非常に苦労しました。というのも、〆切直前に受け取っては行けないものを受け取ってしまったからです。
 → 8月に投稿した論文の不採用通知。

 今回はいつも以上に凹んでしまいました。採用されるのが難しい学会だとはいえ、内容について面白いと自ら思い、自信があっただけに、凹みます。まぁ、自信がある内容でも不採用になる経験は今まで何度もあったわけですし、後々自分でその論文を見直してみると「これじゃあ落ちるよな」と思った経験も何度もあるわけですから、今更凹む必然性はないのですが。
 でも、今回の投稿は、今までとは異なる点が2点あったのです。第1点は、かつて某先生にこのテーマなら大丈夫、と太鼓判を押されていた論文だったこと。それだけに、某先生まで否定されたような気になってしまい、さらに凹みます。第2点は、落とされた学会が、私が最も重視する学会だったこと。審査評を見る限り、「あー、この分野では、教育会メインの内容ではダメなんだなぁ」ということがひしひしと考えられる。いや、教育会が悪いのではなく、私のテーマ設定が悪かっただけなので、また出直せばいいのだけど。しかし、今の研究スタンスでは絶対に採用されないな、とハッキリ感じました。今までのスタンスに自信を持って取り組み、教育会をメインテーマにすることを研究者としてのアイデンティティ形成の拠り所としていただけに、ショックが大きいです。
 教育会研究のテーマは、教育会と教育勅語、教育会と郷土教育、教育会と教育情報、教育会と教育政策、教育会と教員養成、教育会と教員研修などが今のところ目に付くテーマですが、私がこれらと同じテーマを扱っても私が研究する意義はそれほどない。だから、教育会と教育研究、というテーマを確立しようとしてきました。でも、今のところ活字化できた論文は、みなこのテーマをやる基礎研究として書いた、教育会の組織構造に関する論文だけ。肝心の教育研究に関する論文、とくに自分が自信を持って世に送り出したい内容の論文は、すべてボツにされて活字化できないでいます。その根本的な理由は、やはり「教育研究」または「教育学研究」のテーマの大きさ・深さに、私が対応できていないからなのはわかっています。そして、教育研究・教育学研究のテーマは、そちらに軸足を移さなくては対応できるものではない、ということもわかっています。
 よく考えてみれば、他の教育会をテーマにしている方々は、教育勅語、郷土教育、教育情報、教育政策、教員養成などについて造詣の深い方々であり、それらに関する知識を土台にして教育会をテーマにしているわけです。私のような、教育会から始まり教育会に終わるような研究者はいないのです。だから「貴重」なのだと言われるのかもしれないけど、このままでは私は前に進めない。このままではいけない。このままでは私の夢はかなわずに終わってしまう。それでは困るのです。
 今年こそは論文を書くことに執着しない、勉強そこそこ論文だけ書くようなことはしない、勉強するんだ、と言い聞かせていたつもりだったのに、気がついたら学会発表含めて7本も書いている(しかも今年度中に1本しか活字化できそうにない)。そして今日と明日中に、もう1本書こうとしている。博士論文を今年度中または来年度中に書くんだ!という「執念」がそうさせるわけだけど、結果、この執念が実現するのは無理そうだ。それは学会のせいでもないし、指導者のせいでもない。結局は自分の力不足。そして、自分が力不足なことは具体的に自覚しています。
 論文を書いちゃいけないわけじゃないし、書いている過程でずいぶん問題意識や知識が深まったので、無駄手間ではない。でも、このまま論文を書き続けても、決定的な結果に結びつかないのも事実。ここは一旦、論文を書くのをやめて、勉強し直すことが大事なんではないか。D4審査が2月に迫り、不採用に終われば私は院生ではなくなってしまいます。現実を考えれば「勉強し直す」なんていう悠長なことを言っていられない時期なわけです。でも、今までのやり方では、同じ事の繰り返しになるでしょう。院生でなくなっても、研究者でなくなるわけではないから、無理を通そうとして焦る必要はない。

 今書いている論文は、教育会で始まり教育会で終わる形の論文です。そして、出来からして、今までの私の集大成にしてもよさそうな内容の論文です。このような形で論文を書くのは、これで最後にしよう。
コメント
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