里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キカラスウリ 夜咲く花

2017-03-26 | 日記
栗原市瀬峰町の、丘陵地の農道を歩いた際に見かけた、キカラスウリの花です。
道路脇の植え込みや、耕作地周辺の藪を覆っている蔓に、白いレース状の花が
咲いていました。一度見たら忘れない花ですね。
同じ仲間にカラスウリがあり、似たような花が咲くようですが、見たことがありません。
分布域が東北南部以南とありましたから、宮城県には分布していないのでしょう。




                             二枚とも2015.7.5撮影

花は日が落ちる頃に開き、翌日の午前中には萎む一日花のようです。
おっと、咲いているのは夜ですから、一夜花と言った方が良いのかも知れませんね。
授粉は、夜間にスズメガ類によってなされるとのこと。ハチやチョウが活動するのは
昼間ですから、授粉は夜活動するガに依存せざるを得ないのでしょう。
スズメガを効率よく呼び寄せるために、花の香りはかなり強く、群落の周囲に
立ち込めていると解説されていました。
残念ながら、踏査時は強い匂いがあることを知りませんでした。
周辺には牛舎が点在していて、積極的に匂いを嗅ぐ気にならないこともあって、
この花の匂いを確認しなかったのが悔やまれます。


                                 2015.7.5撮影

ウリ科カラスウリ属のつる性多年草で、北海道~九州に分布する。
繁殖力が強く、潅木や竹薮、垣根などに絡み付き、葉を茂らせて草木を被い尽くす。
地下に太い根茎があって、ここに養分を貯える。
昔からあせもの散布薬として用いられてきた天花粉は、この根のでん粉を精製したもの。
茎は細長く蔓状で、巻きひげで他物に絡みながら伸長する。
葉は互生し、長い葉柄があり、葉身は心円形で縁が浅く3~5裂し、縁には粗い鋸歯がある。
葉表はほぼ無毛、濃緑色でやや光沢がある。
花期は7月~9月、雌雄異株で、雄花は葉腋に数個、雌花は葉腋に単生して、直径3cm
ほどで淡黄白色の筒状花を咲かせ、先端は5弁に分かれ、花冠の縁は糸状に細裂する。
果実は液果で、長さ10cmほどの惰円体、葉が枯れる頃に黄土色に色付く。
種子は褐色で、長さ1.3cmほどの柿の種形。


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