一関市花泉町、河川近くの耕作放棄地に踏み込んで野草を観察していると、ヨモギやセイ
タカアワダチソウからなる草叢に、それらの丈が低い一角があり、何か黄色っぽいつるが
絡んでいるように見えます。歩み寄って観察すると、絡んでいるのはネナシカズですね。
ただ、つるがやけに細く、私の知っているネナシカズラとは違うような ?
種は後から調べるしかありませんが、つる周辺のヨモギなどの草丈が低いのは、寄生植物
であるネナシカズラに、養分を奪われているからでしょう。
二枚とも2021.9.3撮影
つるの細いネナシカズラは外来種と見当を付けて、ネットで検索してみました。
「ネナシカズラ 外来種」で検索すると、「外来限定 野の花観察日記」というサイトが
あり、それにアメリカネナシカズラが取り上げられていて、写真を見比べると私の写真の
ネナシカズラにそっくりです。
「つるの太さ1mmほどで、色は淡黄~淡黄赤色。寄主に複雑に巻き付く」とあり、特徴
も合致するのでアメリカネナシカズラで間違いないでしょう。
二枚とも2021.9.3撮影
ヒルガオ科ネナシカズラ属の1年草で、南北アメリカ原産の帰化植物。
昭和40年代に、穀物や牧草の種子に混入して国内に侵入したとされ、今ではほぼ全国に分
布している。海岸の砂地や、低地の日当たりのよい草地や耕作放棄地などに生える。
海岸ではハマゴウやハマヒルガオなどに寄生し、草地ではヨモギやセイタカアワダチソウ
などに寄生する。これが繁茂すると、あたりが細いラーメンを撒き散らしたような景観と
なる。発芽時は根があるが、寄生根で養分を吸収し始めると自分の根は枯れてしまう。
つるは淡黄色~淡橙色で直径1~1.5mm、他の植物に左巻きに絡みつき、こぶ状の寄生根
を差し込んで養分を奪って生長する。葉緑体をもっておらず葉も無い。
花期は7~10月、鱗片(葉の名残り)の腋に短い集散花序を出し、直径3mmほどの白い花を
頭状につける。萼は半球形で5浅裂し、裂片は卵円形。花冠は広鐘形で先は5裂し、裂片
は卵形で鋭頭、平開ときに反曲する。雄しべは5個で、花筒に付着して花冠から突き出る。
果実は蒴果で直径3mmほどの球形、不規則に果皮が破れて種子を散らす。
種子は4個入っていて、長さ1mmほどの楕円形。翌春に発芽する。
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