登米市東和町、小河川に並行する車道を上がって行くと、杉林際に淡桃色の花穂が十数本
立っています。初めはヌスビトハギの花かと思ったのですが、よく見ると1つひとつの花
がそれよりも大きいので、フジカンゾウの花でしょう。
林道歩きの際に杉林沿いで時々見かける植物ですが、花の盛りに出合うことがなかったの
で、今日まで取り上げることができませんでした。
二枚とも2021.9.8撮影
フジカンゾウの名の由来ですが、花が藤に似ていて、葉が有用植物の甘草(かんぞう)に似て
いることから、これを合わせて名付けたようです。
まだブログを始めていなかった頃のこと。大震災の2年後だったか、南三陸町の小河川沿
いを歩いていると、草地の中にフジカンゾウが群生しています。杉はおろか、雑木も生え
ていない明るい草地なのに、日陰を好むこの植物が群生していたんですね。
大津波で林が失われてしまったのか、或いは引き波で上流から種子が流されてきたのか、
考えても判りませんよね。今その場所には、太陽光発電パネルが広く設置されています。
二枚とも2021.9.8撮影
マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は50~150cm。
山野の林内~林縁に自生し、特に沢沿いの杉林で見かけることが多い。
茎は直立し、全体にまばらに細毛と粗毛がある。
葉はまばらに互生、5~7小葉からなる奇数羽状複葉。頂小葉は長さ8~16cmの倒卵形~
長楕円形、先端は鋭く尖り基部はくさび形。側小葉は基部のものほど小さくなる。
葉柄は長い。托葉は線形で長さ7~8mm。
花期は8~9月、茎頂と葉腋から長い花軸を出し総状花序を付ける。花は淡桃色の蝶形花
で2個ずつ並ぶ。花の長さ8~10mmで、竜骨弁は翼弁より長い。
果実は豆果で、ふつう2小節果。小節果の長さは1~1.5cm、前面に短いかぎ毛がある。
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