南相馬市鹿島区北海老地区南部、丘陵地の麓に大きな溜池があり、その土手を上がって行
くと、セイタカアワダチソウやヨモギを中心とした草叢の中に、たくさんの暗紅紫色の花
穂が見えます。ワレモコウの花で、これだけ密集して咲いているのは初めて見ました。
もう秋の花の季節なんですね。
ワレモコウは、稀少なヒョウモンチョウやゴマシジミの食草とされます。
成虫はワレモコウの花の蜜を吸い、花穂に産卵します。幼虫は花穂の中に穿入して、花芯
を食べ成長するのだそうです。
二枚とも2020.8.21撮影
ワレモコウの根茎には薬効があり、生薬名は地楡(チユ)。
晩秋に根茎を掘りあげ、ひげ根を除いてから水洗いし、日干し乾燥したものを用います。
下痢止めには地楡(チユ)の煎液を服用します。火傷、湿疹、皮膚炎には幹部を煎液で洗浄し
ます。打撲や捻挫には生根を擦り潰して塗布すると効果があるようです。
薬効成分はタンニン、サポニン。
二枚とも2020.8.21撮影
バラ科ワレモコウ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は30~100cm。
山野の草地や耕作地周り、道端や土手などに自生し、日当たりを好む。
根茎はやや肥厚し、短く横臥する。全株無毛で、茎は直立し、上部で分枝する。
葉は互生し、奇数羽状複葉で小葉は2~6対、小葉は長楕円形で長さ2.5~5cm、先端は鈍
く、縁には歯牙状の鋸歯、葉状の托葉がある。
花期は8~10月、枝先に直立した楕円状の花穂をつけ、先の方から咲く。花穂は小花が密集
したもので長さ1~3cm、小花に花弁はなく、ガク片4個、雄しべ4本。
咲き始めのガク片は淡い紅色で、後に暗紅紫色になる。
結実しても外見はほとんど変わらずに、花後も萼が残り、中に痩果が入っている。
薄い果皮に1つの種子が包まれている。
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