里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

フジカンゾウ 2節果の豆果

2020-08-30 | 日記

登米市登米町日根牛地区北部、沢に沿った林道を緩やかに上がって行くと、沢沿いや斜面
に杉林が続いています。あちこちと木漏れ日が差しているのは、程よく間伐されているか
らでしょう。林道脇や林床には、様々な野草が生い茂っています。

そんな林道沿いに生えていたのがフジカンゾウですが、残念ながら花は殆ど終わっていて、
豆になっていました。花を観察するには、10日ほど遅かったようです。
莢の形はあるものの、まだ中の豆は出来ていませんね。

                              二枚とも2020.8.28撮影

フジカンゾウを漢字表記すると「藤甘草」で、花が藤に、草姿が同じ豆科の甘草に似てい
るとして名付けられたようです。

花後にできる果実はふつう2節にくびれて、それぞれの節に種子が1個ずつ入っています。
果実は通り掛かった動物や人の衣服などに付着しますが、これは果実の莢の表面に毛が生
えていて、その先端が鈎状に曲がっていてくっつき易くなっているためです。これが遠く
まで種子が運ばれる仕組みで、このような種子の散布方式を「動物散布」といいます。

                              二枚とも2020.8.28撮影

マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は50〜120cm。
茎は直立~斜上し、茎や葉の両面など全体にまばらに毛がある。
葉は互生し、奇数羽状複葉。小葉は5~7個つき、長楕円形で長さ3~10cm、先端は尖り、
基部は楔形。葉脈は葉の縁まで届く。葉柄は長さ4~6cm。
花期は8~9月、茎頂と上部の葉腋から総状花序を出し、蝶形花を多数つける。
花は淡紅紫色で花冠は長さ7~8mm。花柄は長さ4~6mm。
果実は豆果で、1~2個の小節果からなる。小節果は長さ12~16mmの半月形。
果実の表面に鈎状の毛が生えていて、動物や人の衣服について運ばれる。
種子は扁平な半月形で長さ9mmほど、幅5mmほど。



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