田んぼの畦道や春耕前の田畑で、普通に見られるタネツケバナは環境適応力が
あって、水辺周辺から空地や道路脇まで至る所に生えていますが、その仲間の
オオバタネツケバナはなかなかの頑固者で、決して水辺から離れようとしません。
特に湧水地や山手の細流が好みのようで、日当たりの良い岸辺に群生していました。
撮影地は二股川支流の上流域です。
二枚とも2016.4.20撮影
名前の由来は、苗代に種籾を播く前に水に浸けますが、その時期に花が咲くので
「種浸け花」となったようです。そのタネツケバナよりも大柄で葉が大きいことから
大葉が付けられ、オオバタネツケバナとなったのでしょう。
本種は優れた食味の山菜として知られています。
タネツケバナより柔らかく、辛味もソフトで人気があるようです。生のままサラダ
にしたり、さっと茹でておひたしにしたり、一夜漬けでも食べられるようです。
2016.4.20撮影
アブラナ科タネツケバナ属の越年草で、日本全土に分布する。
山地の湧水地や渓流沿い、山田周りの細流などに自生し、水に浸かるように生えている。
茎は高さ20~40cm、全草ほとんど無毛。初め茎の下部は分岐して這い気味だが、花が
咲く頃から垂直に立ち上がる。同属のタネツケバナは茎が紅紫色を帯びるが、本種は
ごく淡く紅紫色を帯びる程度。
葉は奇数羽状複葉で互生し、先端の頂小葉が大きめで、これががあまり大きくならない
タネツケバナと区別できる。側小葉は1~4対で、各小葉は翼で繋がる。
花期は3~6月で、茎の先端に総状花序を出し、白い4弁花を咲かせる。
花びらの長さは4mmほどで、雄しべ6個、萼4枚。
果実は長角果で線形、長さ1.5~2.5cm、熟すと下側から裂開する。
種子は直径1mmほど。
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