7月下旬、雄勝町の半島部で荒れた林道を下っていくと、海岸まで後数百メートル
という辺りで、崩れかけた路肩に変わった実を付けた植物が何株か生えていました。
葉は長さ15cmほどの楕円形で、鮮やかな緑色をしています。
実は長さ15cmほどの果穂にたくさん生っていて、それぞれの実は8分割されている
ようです。全体の印象としてはヨウシュヤマゴボウに似ていますが、果穂が立ち
上がっていますから、垂れ下がる前種とは逆ですね。
2016.7.31撮影
いろいろな植物図鑑をめくってみましたが、似たような植物は見つかりません。
こうなると、印象が似ていたヨウシュヤマゴボウが属するヤマゴボウ属まで遡り、そこに
属する植物名をリストアップし、それぞれの写真や特徴と見比べるしかないでしょう。
ヤマゴボウ属には3種しかありませんでした。
よく見かけるヨウシュヤマゴボウ、関東以西に分布するマルミノヤマゴボウ、それと
中国原産のヤマゴボウですね。ヨウシュヤマゴボウではないので、マルミノヤナゴボウ
かヤマゴボウのどちらかでしょう。
葉を見比べましたが、両種ともそっくりで違いが判りません。
果実を見比べると、マルミノヤマゴボウの実は筋が入る程度で、分割しないようです。
そうすると、分割する中国原産の「ヤマゴボウ」ということになります。
〈 北大キャンパス ヤマゴボウより 〉
2016.7.31撮影
ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草で、原産地は中国北部~朝鮮半島。
江戸時代以前(一説には飛鳥時代)に薬草として渡来し、国内でも栽培されていたが、
現在では北海道から九州の山野で野生化している。分布域は広いが個体数は少ない。
地下には数本の太い直根があり、切断すると年輪状の模様が入っている。
根には多量の硝酸カリを含み、有毒とされる。
茎は緑色多肉質で無毛、草丈は1m以上になる。
葉は薄く軟質で楕円形、長さは10~20cm。
花期は6~9月で、枝先に15cmほどの総状花序を直立させ、白色の小花を多数付ける。
白い花びらのように見えるのは5枚の萼片。雄しべは8個、その内側の雌しべも8個。
花後の果実は8個の分果からなる液果で、黒紫色に熟する。
根を日干しにしたものを商陸(しょうりく)と称し、利尿剤に用いるが、誤食すると血圧
が異常に降下して、心臓麻痺を起こすこともある。
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