里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クマワラビ 小羽片に小じわ

2017-04-22 | 日記
山中の岩場や林道沿いの崖を通るとき、何か希少な羊歯がないかと探すのが、
いつもの習慣になっています。
この羊歯は何度も見かけていて、特に希少性があるわけではないのですが、
小羽片にシワのような筋があって、他とは違うので名前を調べなければと思いつつ、
何年も放置していた羊歯なんですね。
今年になってからも、常緑性だから急ぐ必要はないとのんびりしていたので、
雪が降って葉が傷んだり、倒れ伏してしまったりで観察適期を逃してしまいました。
撮影地は南三陸町南部の、水戸辺川支流に沿った林道の岩壁です。




                             二枚とも2015.3.14撮影

葉(小羽片)に特徴的なシワがあるので、図鑑を見れば直ぐ判るだろうと楽観していました。
しかし特徴が似ているだけでは、種の同定はできません。
暖地にしか分布しない羊歯が、宮城県にあるのは不自然ですから、似ていても外します。
幸い図鑑の写真で小羽片のシワ(葉脈のくぼみ)がクローズアップされていて、分布域も
合致するので、クマワラビと同定することができました。


                                 2015.3.14撮影

オシダ科オシダ属の常緑性羊歯植物で、北海道の奥尻島、宮城県以南の本州、
四国・九州に分布する。林床や道端に生え、時に岩壁から下垂する。
根茎は太く直立し、葉の全長は60cmほどで、葉表は光沢の無い緑色。
葉柄基部に赤褐色~褐色で披針形の鱗片が密生する。
中軸では同様の鱗片がまばらに付く。
2回羽状複葉で、下部の羽片は少し短くなる。
小羽片の表面の葉脈はくぼみ、先端は鋭頭。
下部羽片の小羽片は基部が耳状にふくれる。
ソーラスは葉身の上部羽片だけに付き、胞子を散布した羽片は縮んで枯れる。


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