栗原市栗駒地区、林道を上がって行くと送電線が通っていて、その下の草地は刈り払われ
たばかりのようで、草丈が低く楽に歩けそうです。林道から送電線下の草地に入り、これ
を辿れば私が車を置いた場所までの、近道になりそうです。
山中の送電線下の草地ですから急斜面もありますが、刈払いから2~3週間しか経ってい
ないようで、足に絡むような草木が無く容易に歩き回ることができます。
ルートの七合目辺りまで上ると、草地の林寄りにマンネンスギのような印象の羊歯植物の
群落を見つけました。マンネンスギは針葉樹林内の木陰に生えますし、このように濃密に
群生することはないでしょう。これは初めて見る羊歯植物ですね。
二枚とも2022.7.3撮影
羊歯植物図鑑でマンネンスギを検索し、前後のページをめくっていると、写真の羊歯によ
く似た羊歯が載っていて「アスヒカズラ」とあります。
北海道~近畿以北の本州に分布し、山地の草地や林縁、岩礫地などに生えるとあります。
分布や自生環境も合致しますから、アスヒカズラで間違いないでしょう。
アスヒカズラは稀少な羊歯植物で、関東、東海、近畿地方などで多くの都府県が絶滅危
惧種に指定しています。
名の由来は、葉が明日檜(アスナロ)に似ていることから明日檜葛と呼ばれたようです。
アスナロとはヒノキに似た常緑針葉樹で、宮城県内ではヒバ、或いは青森ヒバと呼ばれる
ことの方が多いかも知れません。
二枚とも2022.7.3撮影
ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の常緑性羊歯植物で、北海道~近畿以北の本州に分布。
山地の日当たりの良い草地や林縁、岩礫地などに自生する。草丈は5~30㎝。
匍匐茎は地中または地上を長く這い、まばらに分枝し、茎の直径は1~2.5mm、鱗片状の葉
を疎らにつける。直立茎は斜上またはほぼ直立し、高さ5~30cm、ほぼ扇状に分枝する。
直立茎の小枝は扁平、葉とともに幅2~4mm、表面は緑色で、裏面は淡緑色、節が明瞭。
葉は鮮緑色で、4列に並び、下部の半分以上が茎と合着し、先端は刺状。背葉は線形で圧
着、側葉は幅広く、開出または内曲する。複葉は小さく、鋭尖頭の先端部以外は茎に圧着。
胞子嚢穂は3~10cmの柄に1~5個つき、円柱形で長さ1~3cm、直径は2~4mm。
胞子葉は密につき、広卵形で鋭尖頭、辺縁は膜質、不規則な鋸歯がある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます