ナツノハナワラビ 桑畑跡

南三陸町戸倉地区の西部、標高100～150mの丘陵地の間の農道を上がって行くと、
山裾に桑の木が林をなしています。用材を得るために植樹される樹種ではないので、
かつては養蚕用の桑畑だったのでしょう。

その林に踏み入って最初に見つけたのが、先に記事にしたヒロハハナヤスリです。
その撮影中に周辺で見つけたのが、このナツノハナワラビの仲間です。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二枚とも2018.4.20撮影

ナツノハナワラビの仲間にはオオハナワラビ、ナツノハナワラビ、ナガホノナツノハナワラビ
の３種があって、ちょっと見には区別が付きません。
それに現時点では葉も十分に開いていませんし、何よりも胞子葉が伸びていませんからね。
小羽片や羽軸の違いで区別できると良いのですが・・・

幸い「ハナワラビの仲間」という記事があり、これに各部の違いが詳述されていたので、参考
にさせていただきました。小羽片の基部が有柄であること、裂片に細かい切れ込みが入っている
ことから、「ナツノハナワラビ」と同定しました。
参考までに、下にその記事を貼り付けましたので、青字をクリックして参照願います。
ハナワラビの仲間


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2018.4.20撮影

ハナヤスリ科ハナワラビ属の夏緑性羊歯植物で、北海道～九州北部に分布し、草丈は25～70cm。
丘陵～山地のやや陰湿な林内に自生し、しばしば群生する。
根茎は短く直立する。葉には栄養葉と胞子葉の２形がある。
栄養葉の茎の長さは15～35cm、ほぼ無毛。葉身は広五角形で長さ５～28cm、幅７～30cm。
３～４回羽状深裂し、淡緑色で薄く、柔らかい草質。
羽片は広卵形で基部の小羽片は小さく、大きい小羽片は長楕円形から卵状披針形。
裂片は楕円状形または長楕円形、鋭尖頭、縁は深裂または明確な鋸歯縁。
胞子葉は栄養葉の茎頂部につき、栄養葉の茎は胞子葉の共通柄（担葉体）となる。
胞子葉は長さ10～30cmの茎が直立し、穂は長さ10～20cm㎝の卵状三角形、３～４回羽状分岐し、
柄がある。胞子嚢は球形～惰円形。胞子は表面が粗く、かすかにいぼ状。