南三陸町戸倉地区の、沢沿いの農道をゆるやかに上がって行きます。
以前この農道を歩いた際に、道下の沢に見慣れない植物を見つけていて、素性は不明ながら
ひょっとして花が咲いているかと、再訪してみました。
雨上がりの沢は少し増水していますが、沢辺なら遡れそうです。
下り口を見つけて、沢をジャブジャブ遡っていくと、狙いの植物が流れに浸かって繁茂して
います。川原には生えていないので、抽水植物かも知れません。
ちょうど時季がよろしかったようで、茎や枝の先の方に小さな淡紫色の花を咲かせています。
川岸や沼地などに自生するという、カワヂシャに似ているような ?
二枚とも2019.6.25撮影
帰宅後、植物図鑑でカワヂシャの写真を見ると、私の写真の植物によく似ています。
ただ、解説文を読むとカワヂシャの草丈は10~50cmなのに対し、私の写真の植物は多くが
倒伏しているものの、倒れた部分と立ち上がった部分を足すと70~80cmはあります。
同属に似た植物があるのかも知れません。
念のためネット検索で調べると、よく似た仲間に大型の「オオカワヂシャ」という帰化植物
がある旨記されているので、これかも知れませんね。
草体が大きいこと以外に、「淡紫色の花冠に濃色の筋が入る」とあり、私の写真の植物と合致
します。オオカワヂシャはヨーロッパ~アジア北部が原産で、慶応三年(1867年)に神奈川県
で最初に採集されたようです。その後各地に広がって繁茂し、2006年には特定外来生物に指
定され、栽培や販売、運搬、譲渡などが禁止されています。
平成17年の調査では、宮城県南の阿武隈川水系で繁殖が確認されています。
それがついに、県北の沢にまで侵入してきたということでしょう。
二枚とも2019.6.25撮影
ゴマノハグサ科クワガタソウ属の二年草で、ヨーロッパ~アジア北部原産の帰化植物。
宮城県以南の本州~四国に分布し、河川や湖沼の岸辺、水田、湿地などに生える。
根茎が地中を横走するので、しばしば群生する。
茎は直立または斜上し、全体が無毛。
葉は対生し、葉身は長楕円形~披針形で長さ2~10cm、先端はやや尖り、縁に細鋸歯がある。
葉柄はほとんどなく、基部は茎を抱く。両面無毛で、葉質はやや厚い。
花期は4~9月、上部の葉腋から総状花序を出し、多数の小花を付ける。
花冠は4深裂して直径は5~7mm、淡紫色で濃紫色の筋が入る。雄しべ2本、雌しべ1本。
果実は蒴果で直径4mmほどの球形。先端が凹み、長さ3mmほどの花柱が残る。
種子は長さ0.5mmほど。
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