里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オニドコロ 長寿の象徴

2017-03-03 | 日記
石巻市雄勝町、半島部の林道を歩いていて、山側法面から垂れ下がっているオニ
ドコロを何箇所かで見かけました。一見するとヤマノイモかとも思いましたが、葉身の
幅が広く、よりハート形に近いことからオニドコロと判りました。
各地の林道沿いや、林際でよく見かけるつる植物です。




                             二枚とも2016.7.31撮影

地下の根茎が太く曲がっていて、ひげ根が多いことから、腰の曲がった老人に例え、
海の老人「海老」に対して、野の老人「野老」が当てられたと言われています。
それで、かつては長寿を願う正月飾りの一つとする風習が、各地にあったようです。
肝心のトコロの語源は、根に塊ができる事から『凝(とこり)』と呼び、これが訛った
などの説があります。そして葉が大きいことから、頭に鬼を付けたのでしょう。

全草にアルカロイドのジオスコリンやジオスシンなどの有毒成分を含み、誤って
食べると胃腸の粘膜が炎症を起こします。ヤマノイモに似ているため根茎の誤食が
あるようですが、強い苦味を我慢して食べたのでしょうか ?
昔は灰汁で煮て水に晒し、食用としたこともあるといいますから、救荒植物として
位置付けられていたのでしょう。


                                 2016.7.31撮影

ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草で、北海道~九州に分布する。
日当たりの良い林縁や、道路沿いの藪などに自生する。雌雄異株。
根茎は肥厚して横に這い、ひげ根がある。苦味が強く有毒。
葉は互生し、葉身は円心形~三角状心形で、長さ5~14cm。先端は長く尖る。
葉柄は長さ5~12cm。基部に珠芽(むかご)は付かない。
花期は7~8月、花序は細いひも状で、雄花序は葉腋から直立し、淡緑色の小花
を付ける。雄花の直径は3mmほど、花被片6個は平開し、完全な雄しべが6個ある。
雌花序は垂れ下がる。雌花の直径は5mmほど、雌しべ1個で花柱は3裂する。
果実は蒴果で、倒卵状楕円体で3個の翼がある。種子は長さ5mmほどの扁平な
楕円体で、片側にのみ長楕円形の翼がある。


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