このタウコギが生えていたのも、気仙沼市本吉町の馬籠地区の放棄田です。
ミゾソバが咲いていた放棄田のすぐ近くですが、こちらは水が溜まっていなくて、
色々な雑草が生い茂っていました。
タウコギはかつてどこの田んぼにも普通に生えていた雑草ですが、乾田化された
現在の水田では、殆ど見られなくなりましたね。
二枚とも2015.9.20撮影
タウコギと言ってもご存知ない方が多いでしょうが、「バカ」と言ったら思い出す
人もいることでしょう。或いは「引っ付き虫」などと言ったかも知れません。
街中でも木々が紅葉する頃、子供らが毛糸のチョッキを着て通学するようになります。
そんな季節には、子供達が「バカ」を付け合って遊びました。
「おはよう」などと言いながら、友達の背中に「バカ」をくっ付けるのですが、付けられた
方は気付かずに学校まで行き、教室で指摘されてようやく気付く、それがタウコギの
実(種)だったんですね。「アハハ、バカがバカの実をくっ付けてる。ヤーイ、ヤーイ」
などと囃したてる・・・今はそんなことしたらイジメだと騒がれるのでしょうか。
2015.9.20撮影
キク科センダングサ属の一年草で、日本全土に分布する。
湿地、水田、休耕田、用水路脇などに自生し、草丈は20~150cm。
茎は直立または斜上し、ほとんど無毛でよく分枝する。
葉は対生し、葉身は羽状に3~5深裂し、長さ5~13cm、裂片の縁には鈍い鋸歯がある。
茎の上部のものは単葉で裂けない。葉柄の縁はやや翼状となる。
花期は8~10月で、枝先に黄色い頭花をつける。初めは直径7~8mmと小さいが、のちに
直径2.5~3.5cmと大きくなる。多数の筒状花からなり、舌状花はない。
頭花を包むように展開する総包片は10個ほど、長さは1.5~4cmで、小葉のように見える。
果実は褐色の痩果で長さ7~11mm、2本ののぎがあり、これがよく衣服に付着するので
目立つ草である。このトゲで他物にくっついて種子を撒布する。
かつては水田に蔓延る雑草として邪魔物扱いされていたが、現在ではアメリカセンダングサ
との競合や除草剤などの影響で、自生地が著しく減少している。
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