一関市花泉町、川に並行する車道を上流側へ歩いて行くと、耕作地と川の間にこんもりと
茂った木があって、樹冠がおぼろげに黄葉しているように見えます。
細い農道で耕作地を横切って樹下まで行くと、樹形や葉の特徴からマルバヤナギと思われ
ます。黄葉の半分ほどは既に散ってしまっていて、残った葉もかなり傷んでいますから、
黄葉の盛りは1週間ほど前だったものと思われます。
二枚とも2021.11.13撮影
カワヤナギやタチヤナギなどは川岸でよく見かけますが、マルバヤナギは探し廻らないと
なかなか見つけられない少数派のヤナギです。遠目にはもっこりと半球形に茂ること、近
くでは葉身の幅が広いことなどで見分けられます。
また春先の新芽や、伸びた枝先の新葉が赤みを帯びていることから、アカメヤナギの別名
もあるようです。春先には赤い新葉を確認したいものです。
2021.11.13撮影
ヤナギ科ヤナギ属の落葉広葉樹で、樹高10〜20mの高木。雌雄異株。
東北中部以南の本州~九州に分布し、日当たりのよい川や池沼の畔などに自生する。
地際から数本の太い枝を広げ、こんもりと半球形に茂る。
樹皮は灰褐色で縦に割れる。新枝は灰褐色、やや太くて無毛。
葉身は楕円形で長さ5〜15cm、先端は尖り、基部は円形~広い楔形。縁には先端が腺に
なった小さな鋸歯がある。葉の表面は緑色、裏面は粉白色で無毛。葉柄は長さ1〜1.8cm、
表側に腺がある。托葉は半円形で大きく、遅くまで残ってよく目立つ。
花期は4~5月、我国のヤナギ属のなかでは最も遅く開花する。雄花序は長さ7cmほどの
長い円錐形。雄しべは3〜5個。花糸は離生し、葯は黄色。腺体は2個あり、合着する。
雌花序は長さ2〜4cm。腺体は2個あり、合着する。
子房は長い柄があり無毛。苞は淡黄緑色で円形、無毛。
果実は蒴果。長さ4mmほどの長楕円形で、6月に成熟して裂開する。
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