一関市室根町の津谷川地区東部、気仙沼市との境界に大森山という標高756mの山が
あって、山頂部や防火帯がツツジの名所になっています。
ヤマツツジの花はすでに最終盤で、花は傷んだり散ったりしていました。でも、私の狙いは
レンゲツツジですから、ちょうど今が花の盛りで、東側斜面などに群れ咲いていました。
レンゲツツジはヤマツツジなどに比べると湿り気を欲しがりますから、乾燥気味の頂稜より
も海側からの湿った風が吹き付ける東側斜面に、より多く自生しているのでしょう。
レンゲツツジを漢字表記すると「蓮華躑躅」となります。名前の由来は、枝先の花が輪状に
展開していることから、これを蓮華(ハスの花)に見立てたと言われています。
二枚とも2018.5.26撮影
ツツジ科の樹木には有毒植物が多く、特にアセビ、ハナヒリノキ、レンゲツツジの毒性が強いこと
が知られています。牛や馬などの家畜が食べると神経が麻痺し、酩酊や四肢のしびれ、果ては呼吸
麻痺で死にいたることもあるとか。
人も油断はできません。レンゲツツジの蜜に由来する蜂蜜を食べ、中毒事故を起こした例が紀元前の
ギリシャであったとの記録が残されています。東ヨーロッパのコーカサス地方において、ツツジ類の
多い地域では、養蜂家たちは現在でもこれらの花の時季に採蜜しないようです。
近年、国内でもレンゲツツジによる中毒事故があったようです。
平成27年5月11日、新潟県南魚沼市内の一般家庭で、レンゲツツジの花を食べて食中毒事故が発生。
庭木のレンゲツツジの花を食べたのだとか。症状など詳細は不明。
2018.5.26撮影
ツツジ科ツツジ属の落葉広葉樹で、樹高1~2mの低木。北海道南西部~九州に分布する。
日当たりのよい草原や湿原の周辺部、林縁などに自生し、湿り気を好む。
幹は灰褐色で、株立ち状に立ち上がる。よく分枝し、葉は枝先に多数集まって付き、輪生状に互生する。
葉身は倒披針形で長さ5~10cm、基部はくさび形、先は鈍頭。質はやや薄く、葉脈が目立つ。
葉縁は全縁。葉柄は長さ3~7mm。葉、葉柄、花柄、子房には長毛が生える。
花期は5~6月、新葉の展開と同時に、枝先の1個の花芽から総状花序を伸ばし、2~8個の花を付ける。
花冠は直径5~8cm、漏斗形で5中裂し、花色は朱橙色、上側の裂片に橙黄色の斑点がある。
なお、花色は北方ほど赤みを増し、南方ほど黄色くなる傾向がある。
雄しべ5個。花糸の下半部に短い開出毛が密生する。花柱の下半部に短毛がある。
萼は5裂し、縁に長毛がある。花柄は長さ1.5~3cm。
果実は蒴果で、長さ2~2.5cmの長楕円体、褐色の剛毛が密生する。
種子は長さ2mmほど、翼があって、基部の付属片には鋸歯がある。
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