里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アオハダ まだら模様の樹皮

2019-02-11 | 日記
登米市東和町の嵯峨立地区東部、林道を東へ上がって行くと、標高100mを過ぎたあたりで
なだらかな尾根を越えます。そこに幅の狭い杉林があり、よく見るとかすかな踏み跡があって、
尾根の先の方へ延びています。これを行くとすぐに雑木林になり、そこで見かけたのがアオハダ
の若木です。灰褐色の樹皮に灰白色のまだら模様が入っているので、容易に見分けられます。
これが生えているのは頂稜部周辺だけで、斜面を下っていくと見られなくなることから、やや
日当たりの良い場所を好むようです。

名前の由来は、樹皮の外皮が薄く、硬いもので強くこすると容易に剥けて、緑色の内皮が現れる
ことから「青膚(あおはだ)」と呼ばれたようです。
かつては、緑色のことを青と表現しましたからね。




                              二枚とも2019.2.6撮影

樹皮の白いまだら模様は、地衣類の着生によるものです。地衣類は菌類と藻類が共生したも
ので、その断面を見ると藻類の層と菌類の層をはっきりと確認できるそうです。
菌類は藻類に住み家と安定した水分を与え、藻類は光合成をおこなって菌類に養分を与えて
います。見た目の形状で、葉状地衣類、樹状地衣類、固着地衣類の3グループに大別されます。

アオハダの樹皮に着生しているのは、固着地衣類の中のある種でしょう。
このタイプは平滑で剥がれの無い樹皮が好みのようで、コシアブラ、ブナ、イヌブナなどに
着生していることが多いですね。
固着地衣類は樹皮以外にも様々なものに着生します。石垣やコンクリート構造物、ガードレール、
山中に投棄された家電製品など。


                                  2019.2.6撮影

アオハダは2015年の11月に観察して、記事をアップしています。
属性や特徴については、下の青字をクリックして参照願います。
アオハダ 黄葉と赤い実


最新の画像もっと見る

コメントを投稿