里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

リョウブ まだら模様の樹皮

2019-02-08 | 日記
登米市東和町の嵯峨立地区東部、林道や作業道を繋いで東へ上がって行くと、かつての
宿場町の米川へ至る物見峠があります。峠の手前に杉の植林地があって、周辺が深い藪に
なっているため峠へは行かずに、雑木林の中の尾根筋を下って集落まで戻ることにします。

道らしい道はないので、尾根筋を外さないよう注意しながら下って行きます。
30分ほど下ると伐採跡地に出ました。北西向きのなだらかな斜面で、下の方には伐採時に
使われた作業道が見えます。これを下っていけば集落へ戻れるでしょう。
暫く作業道を下ると北側の尾根を巻くようになり、そこに若木からなる雑木林が広がって
います。作業道脇に赤みを帯びた木があり、樹皮が剥落してまだら模様になっています。
リョウブの木ですね。周囲を見渡すと、株立になったリョウブがあちこちに見られます。
これらは伐採後に萌芽した、ヒコバエが生長したものと推測されます。


                                  2019.2.6撮影

リョウブの樹皮はサルスベリやナツツバキに似ていて、樹皮が剥がれてまだら模様になるの
が特徴で、皮つきのまま床柱として使われたりします。
大木になる木ではないので、一般建材とかパルプ材として用いられることはありませんが、
材が強靭で美しいため、ろくろ細工や農工具の柄にしたり、カンジキの輪にもしました。
茶道用の木炭として評価が高かった、との記述も残されています。

リョウブという名は、飢饉に備えて採取と貯蔵を「令法(りょうぼう)」によって命じたという
歴史に由来するそうです。食用となるのは芽吹いてすぐの若葉で、アクが少なく生のまま食べる
こともできますが、一般的には湯通し後に乾燥させたものを、御飯や団子に混ぜて増量して食べ
たようです。非常時の食料だったわけで、現代人が美味い不味いを論じるものではないでしょう。


                                  2019.2.6撮影

リョウブは2016年の7月に観察して、記事をアップしています。
属性や特徴については、下の青字をクリックして参照願います。
リョウブ 貴重な蜂蜜


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