里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ノウゼンカズラ 中国原産

2017-03-02 | 日記
郊外を散歩すると、農家の広い敷地の入口あたりで、立木によじ登ったノウゼンカズラ
の花をよく見かけます。強烈な夏の陽射しを受けて、さらに元気を増していくような
強い花ですね。中国中南部が原産地で、我国よりは暑い地域ですから、強い陽射し
にも負けずに、次々と咲き続けられるのでしょう。

ノウゼンカズラは有毒植物で、古書にも「鼻に当てれば脳を傷つけ、蜜が目に入れば
目がつぶれる」といわれてきたため、かつては一般の家庭には嫌われ、専ら寺社の
境内に植えられていたようです。しかしこの噂は迷信だったようで、大した毒でない
ことが判り、観賞用に各地で植栽されるようになりました。




                             二枚とも2016.8.5撮影

有毒成分はラパコールで、アレルギー性物質の一つと考えられ、全草に含まれています。
花により多く含まれているようで、花汁が手につくとかぶれることがあり、目に入ると炎症
をおこすようです。いわゆる軽毒ですから、それなりに注意すれば問題はないでしょう。

最近はノウゼンカズラより花筒が長いアメリカノウゼンカズラとか、常緑のヒメノウゼン
カズラという種類も植栽されているようです。こちらの毒性は、現時点では不明です。


                                 2016.8.5撮影

ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉つる性木本で、原産地は中国中南部。
我国へは平安時代に渡来し、かつては寺社を中心に植栽された帰化植物で、現在
では北海道南部~沖縄に植栽されている。
付着根を出して樹木や壁などをよじ登り、10mほどの高さで枝葉を茂らせる。
樹皮は灰褐色で、成木になると縦に細長く裂けて剥落する。
葉は対生し、奇数羽状複葉で長さ20~30cm。小葉は2~4対で、側小葉は殆ど無柄。
小葉は長楕円形で長さ6cmほど、先端は鋭く尖り、基部は楔形。
葉縁には不揃いの粗い鋸歯がある。
花期は7~8月で、枝先から垂れ下がった円錐花序に、橙赤色の大きな花をつける。
花冠は直径6cmほどの広いロート形で、上部は5裂して平開する。
雄しべは4個、うち2個が長い。雌しべは先が舌状に広がって2裂する。
花は一日花で、花冠が一体のまま落花する。日本では殆ど結実しない。


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