里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオケタネツケバナの根生葉

2018-11-29 | 日記
南三陸町戸倉地区南西部、沢に沿った林道を上がり、途中から沢の中を遡ります。
倒木が行く手を遮っていたり、枯れ草や木の枝が沢にはみ出していたりで、楽な遡行は
できません。上流部では河原がほとんど無いので、沢中の大石伝いに跳んだり、ジャブ
ジャブ浅瀬を渉ったりして沢を遡ります。

しばらく遡ると、狭い小砂利の堆積部にタネツケバナらしき根生葉が点々と生えています。
ふつうのタネツケバナよりも葉の展開が大きめで、さらに頂小葉が特大ですね。
私の中では未知の種かも知れません。




                             二枚とも2018.11.25撮影

ネットでタネツケバナ属を調べると、頂小葉の大きな種が載っていて「オオケタネツケバナ」と
あります。分布域を確認すると「本州北部と近畿地方以北の日本海側に分布」とありますから、
南三陸町戸倉地区に自生していても不自然さはありません。この種で間違いないでしょう。

名の由来は長角果(果実)に毛があることから。
ただ、近畿地方などに自生するものは毛がないようです。


                                 2018.11.25撮影

アブラナ科タネツケバナ属の多年草で、本州北部と近畿地方以北の日本海側に分布する。
沢沿いや湿った林下に自生するが、水際からやや離れた場所に多い。草丈は20~50cm。
水際に生えるオオバタネツケバナに似るが、草丈も花もやや大きい。
茎は基部から直立、ふつう毛があるがない場合もある。
葉は奇数羽状複葉、頂小葉は円形~広卵形で側小葉よりはるかに大きく、長さ1.5~2cm、
浅い円鋸歯が数対ある。側小葉は2~5対で切れ込みがある。
花期は3~6月で,茎の先端に総状花序をつけ白い花を多数咲かせめる。
花は4弁花で、花弁は長さ4〜6mm。雄しべ6個、うち4個は長い。
果実は長角果で長さは2.5~3.5cm、種子は楕円形で長さ1.6mmほど。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿