里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

シナガワハギ 野蒜ヶ丘

2017-06-29 | 日記

東松島市野蒜地区は大震災の津波で甚大な被害を受けたため、北部の丘陵上に集団
移転することとなり、新たな街づくりが進められています。
そのニュータウンへ上がっていく市道を走行していると、道路沿いに黄色い花が群れ咲いて
いるのが見えました。40~50m先のギリギリ駐車できそうなスペースに車を置き、歩いて
花のところまで戻って観察しました。

黄色い花は、マメ科のシナガワハギですね。以前石巻市の十三浜地区で見た事がある
ので、直ぐに判りました。背高く伸びすぎたせいか、何株かは倒伏して咲いています。




                             二枚とも2017.6.23撮影

シナガワハギを漢字表記すると「品川萩」となり、江戸時代末期に品川で発見されたこと
から名付けられたようです。帰化植物というのが定説になっています。

シナガワハギはクマリンという香り成分を含んでいて、乾燥させると好い香りがします。
ヨーロッパではハーブとして用いられたといいます。
クマリンには抗菌作用、抗血液凝固作用、むくみ防止作用などがあり、静脈瘤や血栓症の治療薬と
して用いられているようです。
民間薬的には、葉を乾燥させて消化不良や頭痛、不眠症、筋肉の硬直を緩和させるハーブティーと
して用いられています。


                                 2017.6.23撮影

マメ科シナガワハギ属の1~2年草。原産地はユーラシア大陸で、江戸末期に渡来したとされる。
その後各地に広がり、現在では日本全土の沿岸部を中心に、河川敷や道端などに生えている。
茎は直立又は斜上、多数枝分かれして、草丈は50~150㎝。全体ほとんど無毛。
葉は3小葉、小葉は狭楕円形で長さ1.5~3cm、先端は鈍頭で、葉表は青緑色。
葉縁に浅い鋸歯がある。托葉は針状で1脈がある。
花期は7~10月で、葉腋から長さ3~5cmの総状花序を出し、黄色の小さな蝶形花を多数付ける。
花は長さ4~6mm、旗弁は広楕円形で翼弁とほぼ同長。萼は5裂する。
果実は長さ3~4mmの楕円形~広惰円形で、表面に不明瞭な網目状のしわがある。
中に1〜2個の種子が入る。



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