里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ホテイシダ 岩壁に着生

2018-08-01 | 日記
岩手県一関市室根町津谷川地区、気仙沼市境の山に岩場や巨岩の連なる一帯があって、
そこで岩に着生する植物が生えていないか岩壁を見上げていると、ノキシノブのような
生え方の羊歯植物が、岩棚に生えているのが見えます。
北面は切り立っていて登れませんが、南側は尾根伝いに岩上に上がれそうです。
潅木を掻き分けて岩上に至り、北面の岩棚を見下ろすと、ミヤマノキシノブかホテイシダ
のように見えます。幸い潅木伝いに岩棚まで下れそうです。




                             二枚とも2018.7.27撮影

ミヤマノキシノブとホテイシダはよく似ています。
ミヤマノキシノブは常緑性で、ホテイシダは夏緑性ですから、晩秋にでも観察すれば容易に
同定できるのですが、今は夏ですからねぇ・・
傾向としてミヤマノキシノブの葉身の方が細身のようですが、両者を並べて比較できないので
決め手にはなりません。何となくホテイシダに近いような・・

解説文と写真を見比べていると、ミヤマノキシノブの中肋は下部で黒褐色になっています。
ホテイシダの中肋下部は緑色のままです。これに注目して写真を見比べると、私の写真の羊歯
は中肋が緑色のままですから、ホテイシダということになります。


                                 2018.7.27撮影

ウラボシ科ノキシノブ属の夏緑性羊歯植物で、北海道~九州に分布する。
関東以西では、絶滅危惧種に指定している都府県が多い。 
深山渓谷のやや明るい岩上や樹幹に着生する。根茎は横走し、やや密に鱗片をつける。
葉は単葉で、葉身は披針形で長さ10~25cm、幅1~3cmで、基部から1/4あたりの葉幅が最も
広く、ミヤマノキシノブより幅広。先端は尖り、基部はくさび形。
葉質は紙質で、縁は波打つことが多い。中肋は表側に隆起する。
葉柄は長さ1~2cm、緑色~わら色、基部に鱗片がある。
ソーラス(胞子嚢)は円形で小さく直径2mmほど、包膜はない。
中肋をはさんで2列に並ぶ。


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