南三陸町東部、集落背後の山道を上がって行くと、平坦な場所に出ました。地形的には海
蝕台地と思われ、かつては畑として耕されていたような微地形が残されています。
そんな平坦地に何本かの枯木立があり、また倒木も数本あるので何かキノコが見つかるか
も知れません。浅い窪地に一本の枯木立があるので、何かキノコが生えていないかと歩み
寄ると、地面からたくさんのキノコが生えているのを見つけました。
ナラタケによく似ているもののもっと小さく、傘は黒っぽい鱗片に覆われています。
二枚とも2021.10.29撮影
枯木立は腐朽が進んでいて、樹皮が無いので樹種は判りませんが、その樹形から広葉樹で
しょうね。地面から生えているように見えるキノコですが、広葉樹の太い根が埋木として
残されていて、そこから生えているものと推測されます。
キノコ図鑑で調べると、ナラタケの仲間のクロゲナラタケと特徴が一致します。
他のナラタケ類よりも発生が遅い傾向があり、小~中型のキノコで傘の表面には黒褐色の
麟片が密生するとあるので、クロゲナラタケで間違いないでしょう。
他のナラタケ類同様に、食べられるキノコです。
二枚とも2021.10.29撮影
キシメジ科 ナラタケ属の小~中型キノコで、秋~晩秋に広葉樹や針葉樹の枯木上に束生~
群生する。埋木に発生することもある。
傘は丸山型、後に扁平に開き、縁部分は永く内側に巻く。傘の色は黄褐色で粘性はない。
傘表面には暗褐色の小麟片が生え、周辺には散在、中央ほど密生する。成熟すると周囲に
条線を表す。ひだは柄に垂生しやや疎。初め白く、後に淡褐色。
柄は中実から髄状で、逆棍棒型。基部は膨らみ球根状。上部に白色消失性の薄いツバがあ
り、ツバより上部はヒダと同色で平滑。下部は褐色条線に覆われ、下部ほど濃色。
肉は白色で無味無臭。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます