茨城県鉾田市、国道から分かれ海岸への道を下って行くと、広い駐車場があるものの今は
2~3台の車が止められているだけです。そこに車を置き、砂浜を北へ向かうと随所にハ
マニガナが群生していて、稀に季節外れの花が咲いています。
さらに北へ向かうと、ハマニガナに似た黄花が咲いていますが、花のつくりが少し違うよ
うな ? ハマニガナの頭花は舌状花のみですが、こちらの頭花には中心にたくさんの筒状花
が付いています。写真を持ち帰り、植物図鑑で調べてみましょう。
茨城県南東部の海岸には、南北に長い砂丘が発達しています。北の大洗町から南の神栖市
までの28kmに及ぶ広大な砂丘で、鹿島灘に面していることから鹿島砂丘と呼ばれています。
二枚とも2022.10.20撮影
野草図鑑でキク科の植物を見ると、ネコノシタという植物が載っていて、私の写真の植物
にそっくりです。解説を読むと暖地の海岸の砂浜に生え、つる状の茎は分枝して地を這う
とあります。幾つもの特徴が合致するので「ネコノシタ」で間違いないでしょう。
花は6月初旬から咲き始め10月まで見られるようですが、殆どの花が傷んでいて、もう名
残の花という印象ですね。今度は梅雨明けの頃に観察したいものです。
ネコノシタの名の由来は、葉がザラザラしていて触った感触が猫の舌に似ていることから。
二枚とも2022.10.20撮影
キク科ハマグルマ属の多年草で、関東地方以西の本州~沖縄に分布する。
海岸の砂地や礫地に自生する。茎は直径5mmほど、剛毛があって長く地をはい、節から
根と葉を出す。分枝して上部は斜上する。
葉は対生し、葉身は卵形~長楕円形で長さ1.5~4.5cm、先端は鋭頭から鈍頭、基部はくさ
び形。質は多肉で両面に短い剛毛があってざらつく。
花期は6~10月、斜上した茎の先に黄色の頭花を1個だけつける。頭花は直径1.5~2.5cm
で、雌性の舌状花が外周に1列、中心に両性の筒状花が多数付く。
総苞は半球形で総苞片は1列、卵形で短い剛毛がある。
果実は痩果、倒卵形で長さ4mmほど、3~4稜があり、頭部に短い剛毛が密生する。
痩果は海流に乗って散布される。
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