里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミツバの根生葉

2017-04-10 | 日記
石巻市十三浜地区の、大室漁港北方の林道沿いに生えていた、ミツバの根生葉です。
今までの流れから、ロゼット葉としたかったのですが、それほどきれいな構成の葉では
なかったので、根生葉としました。
ミツバは湿り気のある林の中などでよく見かけますが、多少の木洩れ日があった方が
良いようですね。そんな場所の株は成長が早いですから。




                            二枚とも2017.4.6撮影

古くは野生のミツバを採取して、山菜として食用にしていたようですが、元禄10年の
「農業全書」には栽培法や、簡単な食べ方が記載されていたと言いますから、江戸庶民の
食卓にも上っていたものと推測されます。 江戸の葛飾あたりで栽培されていたとか。

三つ葉は、ほうれん草に匹敵するほどのビタミンAを含み、カルシウムやカリウム、
鉄といったミネラルも豊富ですから、風邪や貧血予防にも効果があるそうです。
特有な香りを好む人も多いですね。
ミツバ特有の香りにはミルセン、β-ピネン、キュパレン、β-セリネン、α-セリネンなどの
成分が含まれています。これらの成分にはストレス解消や不眠症の改善に役立つ鎮静効果
のほか、健胃・消化促進・食欲増進の効果があると言われています。


                                2017.4.6撮影

セリ科ミツバ属の多年草で、北海道〜九州に分布し、草丈は30〜80cm。
山野の湿り気のある林内や林縁などに自生し、香味野菜として栽培もされる。
茎は直立してよく分枝し、無毛。葉は互生し、3出複葉で葉柄が長い。葉柄の基部は縁が
膜状になり茎を抱く。小葉は卵形で長さ3~10cm、無柄で重鋸歯縁、葉表にしわがあり、
葉裏は光沢があり、やわらかくよい香りがする。
花期は6~7月で、花序は大散形花序、小花柄は数が少なく不同長、花はまばらに付く。
総苞、小総苞、萼はともに発達しない。花は白色で、直径2mmほど。
花弁は5個、雄しべ5個、雌しべ1個。
果実は線状楕円形で長さ4~6mm、淡色の縦線があり、隆条はほとんど隆起しない。
2分果で、それぞれ1種子が入る。


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