大和町吉田地区の、吉田川支流沿いの林道を上がって行くと、山手から沢水が
勢いよく流れ落ちて、林道を横切っています。
ところが、見上げる山に沢らしき谷地形がありませんから、これは山腹から湧き出した
水なのでしょうね。湧水にしては水量が多いのでビックリです。
その湧水の流れの畔に、小さな黄色い花がたくさん咲いています。
飛沫がかかるような岩に、特にたくさん咲いていて、ネコノメソウに似ていますが、
よく見るとネコノメソウよりは花が小さいですね。
二枚とも2016.4.12撮影
茎のひょろ長いものが多いので、ツルネコノメソウと思われます。
尤も、ツルネコノメソウの謂れは長い茎によるものではなく、地上性の走出枝による
もののようです。花が終わった頃に、地上を這う走出枝(ランナー)がスルスルと伸びて、
先端から根を出して新苗をつくることから命名されたようです。
2016.4.12撮影
ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草で、北海道~四国に分布する。
山地の沢沿いの岩上や水湿地に自生し、地上性の走出枝で増えるのでしばしば群生する。
根生葉を出すが、普通は花時には残っていない。
茎は高さ3~15cmで、2~3個の葉を互生し、ほぼ無毛。
茎葉は有柄、ふつう扇形で、基部は鈍形または切形、長さ2~8mm、幅3~9mm、
無毛で、上縁には5~7個の鈍頭または円頭の鋸歯がある。葉柄は長さ6~10mm。
苞は下部のものは茎葉に同じで、上部のものは卵形。
茎頂に集散花序を付け、花の直径は2~4mm。花弁のように見えるのは苞で、
幅広い卵形で平開し、色は黄緑色。雄しべは8個で葯は黄色。
果実は長さ3mmほど。種子は黒褐色で長さ0.7~0.8mm。
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