里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

チャノキ 同時季に花と実

2019-10-17 | 日記
石巻市北上町十三浜地区、海岸沿いに荒れた林道が通っていて、これを南へ行くと東側へ脇道
が分かれています。どこへ行くのかと入っていくと、東へ緩やかに傾斜した広い畑に出ました。
北側の半分は耕作放棄されているようで、背高の雑草が生い茂っています。
南側はまだ管理されているようで、畝状に多くの低木らしきものが植えられています。
畝の数は30~40本はありそう・・そうか、ここは茶畑なんですね。
日当たりが良い上に、海からは湿った風も吹いてきますから、茶の栽培適地なのでしょう。




                             二枚とも2019.10.10撮影

宮城県内では、かつて沿岸部や北上川沿いで、広く茶が栽培されていました。
今は石巻市桃生町の、北上川沿いの丘陵地で栽培される「桃生茶」が有名ですが、ここ以外で
も前述の地域では今も小面積で栽培している農家があって、その地区で飲まれているようです。
ここ十三浜地区でも、かつては多くの家で栽培していたようで、林道沿いや杉林際などには、
今でもたくさんの野生株が生えています。

畝の間を歩いていくと、たくさんの実が生っています。実は三方に膨らんだ扁球形で、熟すと
3裂して、3個の種子を落とします。小さな実では、1~2個しか種子が入っていないことも
あります。一斉に熟すことはなく、晩秋から冬場にかけて順次熟して、種子を落とします。
花の咲くのも同様で、今の時季から冬場にかけて次々と咲いていきます。




                             二枚とも2019.10.10撮影

ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、樹高1~2mの低木。原産地は中国南西部で、我国へは奈良
時代に渡来し、以来暖地を中心に各地で栽培されている。栽培地周辺の林縁などでは、しばしば
野生化したチャノキが見られる。
幹は低い位置からよく分枝し、株立状になる。樹皮はなめらかで茶褐色〜灰褐色。
葉は互生し、葉身は楕円形で長さ5〜9cm、先端は鈍く、基部はくさび形。縁には波状の細鋸歯
がある。質は薄い革質で、表面には光沢がある。側脈は縁に突き抜けず途中でU字状に湾曲、葉
表の主脈・側脈は凹み、側脈間がやや盛り上がる。葉柄は長さ3〜7mm。
花期は10〜12月、枝先の葉腋に直径2〜3cmの白い花が下~横向きに咲く。
花弁は5〜7個。ほぼ円形で先が凹む。雄しべは長さ8〜13mmで多数あり。
雌しべは1個、花柱は上部で3裂する。萼片は5〜6個、緑色で長さ3〜5mm。
果実は蒴果で、直径1.5〜2cmのほぼ球形。浅い溝が3個あり、熟すと3裂する。
種子は長さ1.5cmほどのほぼ球形で、各室にそれぞれ1〜2個入っている。


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