大和町西部、山地中腹の杉林内の林道を行くと、谷側の路肩につる植物が伸び始めていて、
幾つか花が咲いています。葉や花の付き方がサルトリイバラに似ているので、サルトリイ
バラ科の植物と思われます。サルトリイバラは雌雄異株ですから、たぶんこの植物も雌雄
異株で、そうすると花も雄花か雌花のいずれかということになります。
植物図鑑でサルトリイバラを検索し、その前後のページをめくっていると、シオデの葉が
私の写真の葉によく似ています。改めてシオデで検索して花を確認すると、雌花の柱頭の
下には楕円体の子房がありますが、私の写真の花には子房がないので雄花ということにな
ります。周辺に雌花がないかと探してみましたが、まだ花が付いていないつるしかなく、
雌雄を確認できませんでした。
なお、シオデの新芽は山菜として食されていて、「山のアスパラ」とも呼ばれています。
会津地方の民宿に泊まった際に、一度だけ食べたことがあります。
二枚とも2024.5.11撮影
サルトリイバラ科シオデ属のつる性多年草で、北海道~九州に分布する。雌雄異株。
丘陵~山地の林縁や林道沿いなどに自生する。
茎はつる状に2~4m伸び、葉腋から托葉が変形した1対の長い巻きひげを出して、低木
や他の草に絡みつく。茎に刺はない。
葉は卵状楕円形で長さ5~15cm、先端は尖り、基部は浅い心形~切形。葉質はやや厚くて
光沢があり、5〜7脈がある。葉柄は長さ1~2.5cm、不規則に切れ込む狭い翼がある。
花期は7〜8月、葉腋から散形花序をだし、淡黄緑色の小さな花を多数つける。
雄花の花被片は長さ4〜5mmの披針形。葯は線形で鉤形に曲がる。
雌花の花被片は長楕円形でやや小さい。花柱はほとんどなく、緑色の楕円体の子房の上に
3裂して反り返った柱頭がのっている。
果実は球形の液果で直径7~9mm、黒熟し中に1~4個の種子が入る。
種子は橙赤色の小豆粒状で長さ6mmほど。
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