登米市登米町日根牛地区南部、集落東側の林道を上がって行くと、杉林を抜けて少し開
けた場所に出ますが、道下に続く耕作放棄田には丈のある草が一面に生い茂っています。
周囲の山には杉林もありますが、多くが雑木林で野草観察を楽しめそうなエリアです。
耕作放棄田の先にも林道は続いていて、砂利道ながらよく整備されています。
そんな林道をゆるやかに上がって行くと、道脇の大木に小さな黒い実がたくさん生ってい
るのが見えます。これは山桜の仲間のサクランボで直径は9~10mm、何個か食べてみる
と渋みはあるものの甘酸っぱさもあって、山の果実としては美味しい部類に入るでしょう。
二枚とも2021.6.14撮影
この辺りの山地には、山桜の仲間のカスミザクラが多いのですが、葉を見るとカスミザク
ラの葉よりも葉幅が狭く、サクランボもカスミザクラのそれよりも大きめです。
帰宅後、葉を中心に樹木図鑑と見比べ、樹種を特定したいと思います。
樹木図鑑の山桜の仲間の葉と見比べていると、「エドヒガン」の葉とよく似ています。
葉身は長楕円形で、カスミザクラやヤマザクラよりも葉幅が狭く、葉脈の本数が多めです
ね。分布域は本州~九州となっていて、特に関東に多いようです。
エドヒガンは隣の岩手県にも分布していて、二戸市の「賽の神のエドヒガン」や盛岡市の
「石割桜」がよく知られています。サクランボもカスミザクラやヤマザクラよりも大きめ
で、直径10mmほどあるので、エドヒガンで間違いないでしょう。
ただ、林道端に茂っているので、植えられたものかも知れません。
二枚とも2021.6.14撮影
バラ科サクラ属の落葉広葉樹で、樹高15~20mの高木。本州~九州に分布する。
山地に自生し、日当りを好む。山桜の中では長寿命で、樹齢千年を超える古木もある。
樹皮は暗灰褐色で、成木では縦に不揃いな浅い割目が入る。
葉は互生し、葉身は狭倒卵状楕円形~長楕円形で長さ6~12cm、先端は尾状に長く伸びて
尖り、基部はくさび形。葉縁には鋭い重鋸歯がある。葉脈は13~15対。
葉の表面は濃緑色でやや光沢がある。裏面は淡緑色。葉柄は長さ 2~2.7cm。
花期は3~4月、葉の展開前に散形花序をだし、淡紅色の花を2~5個つける。
花は直径2~2.5cmで花弁は5個、楕円形で先端に切れ込みがある。萼筒は丸く膨らみ上部
がくびれる壺形で、花柄や萼に毛が密生する。
果実は核果。直径9~10mmの球形で、5~6月に黒紫色に熟す。
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