里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

コアカソ 集落道法面

2022-08-18 | 日記

一関市花泉町、丘陵地の集落道を上がって行くと、林際の道路法面に淡紅色の花穂を付け
た植物が群生しています。歩み寄って観察すると、アカソに似ていますが花穂や葉が小振
りなので、コアカソと思われます。

コアカソは湿った沢沿いの斜面や段丘下、道路法面や山間の耕作地周辺などによく生えて
いる植物ながら、咲き始めの花穂を観察するのは初めてです。
茎や花軸の赤みがとても鮮やかで、何かを発見したようで得した気分です。

                              二枚とも2022.8.8撮影

コアカソの茎の下部は木質化することから、落葉小低木に分類されます。
樹高が2mを超えることもありますが、道路法面や耕作地周辺に生えている株は刈払いさ
れることが多く、その場合の丈は1m程度でしょう。
写真の場所は集落道の法面ですから、刈払いされて丈は1mもありません。

                              二枚とも2022.8.8撮影

イラクサ科ヤブマオ属の落葉広葉樹で、樹高2mほどの小低木。
本州〜九州に分布し、湿った沢沿いの斜面や段丘下、道路法面などに自生する。
茎は多数分枝して株立ち状になる。1年枝は基部が緑色で上部は赤色になるが、2年目以
降は薄い褐色になり木質化する。
葉は対生し、葉身は菱状卵形で長さ4〜8cm、先端は尾状に長く尖る。葉縁に鋭い鋸歯が
ある。葉質は膜質で表面にはやや光沢がある。葉柄は長さ2〜5cm、赤みを帯びる。
花期は8〜10月、雄花序も雌花序も長い穂状。雌花序は赤色を帯び、茎上部の葉腋につく。
雄花序は黄白色で、雌花序より下の葉腋につく。
果実は痩果。長さ1.3mmほどの倒卵形で、11〜12月に熟す。



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