一関市萩荘地区、山間部の休耕田の間の草深い農道を上がって行くと、所々に水が浸み出
して路面を濡らしています。そんな湿った農道の草叢の中に、ごく小さなオトギリソウに
似た花が咲いています。大きな群落はありませんが、農道や休耕田のあちこちに小さくま
とまって生えています。たしか・・サワオトギリとかコケオトギリと言ったような ?
二枚とも2022.7.30撮影
小型のオトギリソウ属にはヒメオトギリ、サワオトギリ、コケオトギリがあり、まず分布
域を調べると、ヒメオトギリは千葉県以西の本州~九州になっていて、草丈が15〜40cmと
なっているので、写真の植物とは別物でしょう。
サワオトギリの分布域は北海道~九州で、草丈が15〜40cm、葉の基部には短い葉柄があっ
て茎を抱かないので、写真の植物とは別物ということになります。
コケオトギリの分布域は北海道~九州で、草丈が10~20cm、葉の基部が円形でなかば茎を
抱き、葉柄がないので、写真の植物と特徴が合致します。
よって写真の植物をコケオトギリと同定します。
2022.7.30撮影
オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は10~20cm。
やや湿った農道や休耕田、湿地周辺などに自生する。
茎は4稜があり、倒伏してその後立ち上がり、下部からもよく分枝する。
葉は質が薄く、茎を抱くように対生する。葉身は広卵形で長さ7~10mmほど、葉柄はない。
葉には多数の小さな明点があり、秋には紅葉する。
花期は7〜8月、花は枝先に1〜6花が集散状に付く。花は黄色で直径5~8mm、花弁は
5個、雄しべは5~10個で束にならない。花柱は子房より短い。
萼片は5個で花弁よりやや長い。花は1日花で、午前中しか開かない。
果実は蒴果で長さ2~3mm。
種子は淡紫褐色で長さ0.5mm。
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