里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ネコヤナギのつぼみ 本吉町馬籠川

2019-02-25 | 日記
気仙沼市本吉町山田地区、数年前ですが、今の時季に川沿いの市道からネコヤナギのつぼみ
を見たことがあったので、今年も見られるだろうと歩いてみました。

馬籠川沿いの市道を上がって行くと、両岸から山が迫って峡谷のようになった箇所があり、
これを抜けると河川敷にも陽が当るようになります。たしか道下の岩のあたりにネコヤナギ
が生えていたはず・・直ぐに見つかりましたが、ここは午後になってからしか陽が当らない
ようで、つほみのふくらみが足りませんね。




                             二枚とも2019.2.21撮影

峡谷部上手の撮影地点から、さらに川沿いを上がりましたが、この範囲は砂礫の川原が続く
ためか、ネコヤナギは見られませんでした。
1kmほど川沿いの市道を遡ると、道路下の流れの際に岩盤が続いていて、ネコヤナギと思し
き茂みが見えます。河川敷に降りて確認するとやはりネコヤナギで、銀白色のつぼみが日差し
に輝いています。ここは日当たりの良い場所ですから、つぼみの銀毛がきれいに立っています。

ネコヤナギは雌雄異株ですから、雄花・雌花は株によって決まってきます。
ただ撮影時点で、その違いを把握していなかったのが残念です。
花と言いながらも花びらはありませんから、開花は雄花なら雄しべの葯が見えた時、雌花
なら雌しべの柱頭が見えた時ということになるでしょう。
雄花は長さ3~5cm、花粉が出る直前の葯は先端が赤茶色になり、葯が開くと花粉が出てきて、
黄色く見えます。雌花は雄花より少し短く、雌しべの柱頭が地味な薄黄色になります。


〈森と水の郷あきた ネコヤナギの雄花より〉




                             二枚とも2019.2.21撮影

ヤナギ科ヤナギ属の落葉広葉樹で、樹高1~3mの低木。北海道~九州に分布する。
河川の水際に生えるが、中~上流部に多く、大石の間とか岩盤の割目などに自生する。
根元から枝を束生し、水に浸ったところからは発根して、株を増やす。
樹皮は暗灰色、古くなると縦に割れ目が入る。小枝は黄褐色~小豆色。
葉は互生し、葉身は長楕円形で長さ7〜13cm、先端は尖り、縁には基部を除いて細鋸歯がある。
側脈は明瞭で、ほぼ等間隔に並ぶ。裏面には全面に絹毛がある。葉柄は長さ7〜12mm。
托葉は半卵形で大きい。雌雄異株。
花期は3月、葉の展開前に開花する。花序は長楕円形で無柄。雄花序は長さ3〜5cm。
雄しべは2個、花糸は全体に合着し長さ6mmほど、基部には腺体が1個ある。
葯は赤茶色で、花粉は黄色。
雌花序は長さ2.5〜4cm。子房はほとんど無柄、白い毛が密生する。花柱は長さ2.5〜3mmで、
日本のヤナギ属では最も長い。腺体は1個。苞は披針形で上部は黒色、下部は淡緑色。
果実は蒴果。成熟すると裂開して、柳絮(りゅうじょ)と呼ばれる綿毛に包まれた種子をだす。


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