里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤマグワ 小さな赤い実

2017-06-20 | 日記
栗原市栗駒町沼倉の、栗駒ダム周辺の林道を上がって行くと、藪の中に廃屋が一軒
取り残されていました。開拓農家というよりは牧畜関連の建物を思わす造りですね。
その近くに何本かヤマグワの木があって、赤い小さな実をたくさん付けていました。
実が赤いのは未熟なためで、これから徐々に黒紫色に熟していきます。
このあたりは標高が300mほどで、冬季の積雪量は50~100cmはあるでしょう。
そのため実が熟すのは遅く、麓のヤマグワより半月は遅れているでしょうね。




                            二枚とも2017.6.17撮影

漢方では桑の実は桑椹( そうじん )、或いは桑椹子( そうじんし )と呼ばれていて肝腎、
特に血分を補う養血薬として効能があるとされ、貧血、めまい、目のかすみ、口渇や便秘、
体力の低下などに用いられています。
有効成分はリンゴ酸などの有機酸や糖類、ビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンC、
アントシアニン、β-カロテンなど。


                                2017.6.17撮影

クワ科クワ属の落葉広葉樹で、樹高3〜10mの高木。マグワほどの大木にはならない。
北海道~九州に分布し、丘陵~低山に自生する。
樹皮は褐色。縦に筋が入り、薄くはがれる。本年枝は淡褐色で、無毛。
葉は互生し、葉身は卵形~卵状広楕円形で長さ6〜14cm、切れ込みのないものから3〜5裂
するものまである。先端は尾状に長く尖り、基部は切形~浅い心形。縁にはやや粗い鋸歯がある。
葉表はざらつき、脈上には短毛が散生する。葉柄は長さ2〜3.5cm。雌雄異株まれに同株。
花期は4〜5月で、雄花序も雌花序も新枝の葉腋に1個ずつ付く。雄花序は長さ1.5〜2cmの円筒形。
雌花序は長さ4〜6mm。花柱は長さ2〜2.5mmと長く、その先に線形の柱頭が2個ある。
果実は集合果。長さ1〜1.5cmの楕円体で、6〜7月に赤色からしだいに黒紫色に成熟する。
生食でき甘い。ジャムに加工したり、果実酒をつくることもできる。


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