大和町西部、古い時代の地滑り跡と思われる、凸凹地形の斜面を下って行くと、杉林に囲
まれた細長い湿地に出ました。湿地の縁を歩いていると、一本の太枝がコケや泥に埋もれ
かけていて、その周囲に十数本の黒いキノコが生えています。
形状はワイングラスのようで、上部の直径は3~4cm、触れてみると湿り気と弾力性があ
ります。コケに触れるあたりから下は柄になっていて、指で探ると3~4cmあります。
1本だけ柄を千切って抜いてみると、けっこう弾力があってキノコの柄にしては強靭です。
二枚とも2024.4.19撮影
キノコ図鑑を開いてチャワンタケの仲間を見ていると、エナガクロチャワンタケとエツキ
クロコップタケが私の写真のキノコに似ています。
ただ前者の方がコップ状の開きが大きく、後者の方がコップ状の深さがあります。
見比べると後者の方がよく似ているので、エツキクロコップタケでしょうか。解説を読む
と、春に発生し、落枝上に生えるとあるのでエツキクロコップタケで間違いないでしょう。
キノコ界には、変わったキノコがあるものだと感心しました。
二枚とも2024.4.19撮影
クロチャワンタケ科エツキクロコップタケ属の小型キノコで、春に発生する。
広葉樹林内の半ば埋もれた落枝上に単生する。
子嚢盤は初め球形、のち頂部が星形に裂け、壺状~深い椀状になる。
椀の縁は粗い鋸歯状。内面は黒色で、ほぼ平滑。
外面は黒色で、暗褐色の毛状菌糸に覆われ鱗片状を呈す。
柄は屋や黒色でやや太い。子嚢胞子は楕円形、平滑。側糸は糸状。
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