なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膿胸の疑い

2025年02月06日 | 呼吸器疾患

 2月5日(水)当院の整形外科外来に、地域の基幹病院整形外科から50歳代後半の男性が紹介されてきた。1月23日転倒して前額部を打撲した後から、両手両下肢のしびれと右手の脱力が生じていた。

 先方で行った頸椎MRIで軽度の頚髄損傷を認めていた。ただし、以前からの狭窄症もあった。いずれ手術になる可能性があるそうだ。

 受診した日に当院で術前検査として血液検査を行うと、炎症反応の上昇(白血球11200・CRP14.7)があった。さらに胸部X線で左胸水らしい陰影があった。(左が当院、右が基幹病院受診時)

 2月6日の内科外来に紹介となった。外来担当の内科の若い先生から、相談されて、画像と血液検査を確認した。1月23日の血液検査は白血球の上昇はなく、CRPは陰性だった。

 普通に考えれば感染症で肺炎・胸膜炎か膿胸になる。発熱は経過を通りしてないらしい。さらにHbが9g/dl前後で横ばいだが、そもそもこの値は貧血だった。(血清鉄低値・血清フェリチン高値でMCVは80台)この期間では慢性炎症と言い難く、以前からMDSでもあるのだろうか。

 とにかく胸部CTで確認しましょう、となった。その日は大学病院から呼吸器科外来に応援医師が来るので相談できる。

 胸部CTでは肺炎というより膿胸疑いの像があった。相談の上、基幹病院の呼吸器内科の外来に紹介(というか戻す)ことになった。

 

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急性心筋梗塞

2025年02月03日 | 循環器疾患

 1月27日(月)、内科外来を診ていた。内科外来担当の看護師さんが、前週の金曜日(1月24日)受診した急性心筋梗塞の患者さんの話をしていた。

 その日、70歳代前半の男性が前日夜から頸部から胸部上部が痛くて眠れなかったという訴えで受診した。症状は持続している。

 高血圧症で当院の内科外来(大学病院の医師)に、膝関節症で整形外科に通院していた。昨年から右肩の痛みもあった。患者さん本人は整形外科を受診するるつもりで来ていた。

 37.5℃の発熱があり、血圧85/51mmHg(脈拍数77/分、酸素飽和度98%)と低下していたこともあり、看護師さんの判断で内科外来に回されていた。

 心電図・胸部X線・胸部CTがオーダーされた。最初に行った心電図で、Ⅱ・Ⅲ・aVFで典型的なST上昇を認めた。そのまま救急室に移動となり、点滴ライン(ソルラクト500mL)を入れて、すぐに地域の基幹病院循環器内科に救急搬送となった。

 (胸部X線とCTは中止になったので、心不全の所見を呈していたかはわからない。下壁梗塞だと右室梗塞を併発する可能性がある。)

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化膿性脊椎炎

2025年02月01日 | 感染症

 1月29日(水)は内科外来に出ていた。再来を診ながら新患もみることになっている。60歳代前半の男性が新患として受け付けされていた。

 3日前からの頸部痛で整形外科外来を受診した。血圧が203/112mmHgと高く、高血圧症を指摘されているが、治療はしていなかった(高熱で普段より上昇したらしい)。体温が39.1℃と高熱があり、発熱外来に回された。

 システム上、外来を受診して発熱があると発熱外来に回される。(呼吸器症状の有無に関わらずなのが問題ではある)発熱外来では新型コロナとインフルエンザの迅速検査(抗原定性)検査が行われる。

 新型コロナかインフルエンザが陽性の場合、特に外来治療で問題なければ、そのまま発熱外来で処方が出て帰宅となる。病状が悪くて、画像検査や血液検査が必要な時は発熱外来の診察室で対応する。

 陰性の結果だと、外来(大抵は内科外来)に回される。迅速検査が疑陽性の可能性もあるので、罹患者(特にコロナ)をそのまま外来に入れてしまうという問題はある。

 発熱外来担当(内科)は整形外科の外来だけではなく、内科外来も受けつけるよう、指示していたのだった。(頸部痛と発熱は別と考えたか)

 

 内科外来の看護師さんは、昼近くになっても患者さんが回されてこないので、整形外科外来に問い合わせていた。症状からみて、化膿性脊椎炎が考えられるので、整形外科で完結して内科には回ってこないかもしれないと伝えた。

 整形外科外来では高熱・頸部痛という症状から、血液検査と頚椎CTをオーダーしていた。白血球9200・CRP21.1と炎症反応の上昇があった。頸椎CTでは予想通り異常は指摘し難い。頸椎の造影MRIがオーダーされた。

 その日の午後に当方は内視鏡的胃瘻造設があり、消化器科医といっしょに行った。終了後に、午後に行われたMRIの結果を画面で確認した。頸椎5・6の所見を炎症と示唆する所見を認めていた。

 翌日に血液培養2セットからグラム陽性球菌が検出された。おそらく黄色ブドウ球菌だろう。当院整形外科入院で治療することになった。

 

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