なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

側頭動脈炎

2010年06月24日 | リウマチ膠原病

 開業医からの紹介で不明熱の84歳男性が当院内科外来を受診した。新患担当医師から2週間前から発熱と体動困難の患者さんと連絡があり、おそらくリウマチ性多発筋痛症だろうと見当をつけて外来に行ってみた。
 診察すると、確かに両側上肢の挙上困難と蹲踞からの立ち上がりが困難があり、リウマチ性多発筋痛症は間違いないと思われた。
 この病気に合併する側頭動脈炎の症状を確認しようと、頭痛の有無を聞いたところ、2週間前から左側頭部の疼痛があり、左側頭動脈の走行に沿って軟膏を塗っていた。軟膏が髪の毛に付いて白い。それを見た瞬間に側頭動脈炎の診断が確定した。病名の看板を付けて受診したようなものだ。白血球増加・CRPの上昇・血沈の亢進を認めたが、念のために確認したというだけだった。
 年齢の割に元気な方で、外来治療でもいけそうだったが、もともと糖尿病があり、混合型インスリン朝夕計48単位使用で、HbA1cが8.7%と血糖コントロールが悪く、側頭動脈炎の治療で使用するプレドニンでさらに血糖が上昇するため、入院とした。
 プレドニン30mg/日内服で、症状はすみやかに軽快した。あとは教科書通りに漸減するだけで、血糖コントロールが主な仕事になった。

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