8月19日(月)に60歳代女性が内科外来を受診した。8月17日(土)の早朝に発熱で救急外来を受診して、当直医(16日の)に週明けに内科外来を受診するようにといわれていた。
16日(金)の午前7時半ごろに嘔気とふらつきがあった。体温は36.6℃だった。夕方午後6時ごろに高熱(39.8℃)が生じた。17日(土)の午前2時に当院の救急外来を受診した。
呼吸器症状はなく、診察で右状背部に叩打痛があった。簡易尿検査で白血球反応があり、尿路感染症と判断していた。急性期病棟が満床状態だったので、外来治療となった。抗菌薬内服(セフジニル)とアセトアミノフェンが処方された。
19日(月)の外来受診時は、解熱していた。普通に診察室に入って、落ち着いた会話ができた。胸部X線と血液・尿検査を行った。肺炎像はなく、炎症反応が白血球11200・CRP26.0と予想外に高値だった。
尿所見(沈査)は赤血球20-29/HPF・白血球5-9/HPF・細菌(ー)で、尿路感染症だとすれば軽快している所見になる。抗菌薬内服で経過をみることになるかと思われた。
膝までの長さの白色調のストッキングをはいていた。右下腿に茶色にみえる。脱いでもらってどうしたのかと訊くと、2月に蜂窩織炎で治療していた。色素沈着が残ったようだが、もともと体格がよくうっ滞性皮膚炎があるようだ。
左のストッキングも脱いでもらうと、左下腿全体が発赤していた。白色調のストッキング越しだと、案外わかりにくい。一部小水疱(実際は膿疱)が散在している。比較的には違和感程度で痛みというほどではないそうだ。今回は下腿の蜂窩織炎だった。
17日の受診時にも左下腿の違和感があった(発赤もあったのだろう)。高熱で具合が悪くてそれどころではなかったという。
2月の時も病棟が満床で、皮膚科外来で抗菌薬点滴静注に通院して軽快治癒した。すでに昼過ぎになっていて、皮膚科医はその日午後は不在だった。2月と同様に外来でセフトリアキソンを点滴静注して、翌日皮膚科外来で診てもらうことにした。
20日(火)は急性期病棟の患者さんを地域包括ケア病棟に移動させて、入院可能だった。外来で点滴に通院するのは面倒ということで、今回は入院となった。
この患者さんは、関節リウマチで大学病院に通院して、プレドニン(6mg/日)を内服している。軽度のステロイド糖尿病でメトホルミンも投与されていた。