昨日午後6時ごろに内科クリニックから両側肺炎の98歳女性が救急搬入された。寝たきり状態で、最近はヤクルトや経管栄養食を少しずつ飲んでいたそうだ。上下肢が拘縮しているが、幸いに末梢血管は見えて、点滴ラインを確保できた。弱くうなるだけで発語はない。点滴量も絞らないと、かえって心不全になる可能性がある。少なめの補液と抗菌薬で経過をみるしかない。息子さん(といっても高齢)には、できる範囲で治療するが、悪化時の心肺蘇生術はしないことを伝えて了解してもらった。
紹介状には、自宅で看取ってもいいとは思いますが、家族の希望で入院治療をお願いしますとあった。実際には、そのまま自宅に置いておくことはできないだろう。亡くなるまでの手続きとしての入院は必要だ。回復する可能性もゼロとはいえないし。
今時だと、自宅で亡くなると、お家族がどうしていいかわからなくなる。病院での死亡時の処置、さらには病院を出るところから葬儀社がすべてやってくれる。病院のベットで亡くなったところから火葬してお骨になるまで、自動的にことが進む。
隣の市にある公立総合病院の精神科外来に通院している70歳代の女性が救急搬入された。救急当番は外科医で、検査は一通り出して、あと手術にはいるのでよろしくと連絡がきた。この方は2週間前にも、今回と同様に倦怠感・食欲不振を訴えて救急搬入された。検査で異常がなく、アタラックスPの点滴静注で落ち着いたので帰宅としていた。今回は同じ薬でも落ち着かず、入院となった。通院している精神科は外来治療だけて(精神科医はひとりだけ)、入院はとっていない。処方はりフレックスなどの、いかにも心気症・うつ状態の薬だった。とりあえず、点滴して来週まで経過をみるが、入院したことで気持ちが落ち着くのを期待するしかない。