当院の循環器科に通院している89歳女性が内科外来を受診した。先週風邪症状(鼻水・咳)があり、普段より食欲が落ちていたという。近くの内科医院を受診した風邪として処方を受けた。薬手帳を見せてもらうと、総合感冒薬が出ていた。その後に「虫が見える。そこに孫がいる(実際はいない)」という発言があり、心配して家族が連れてきた。発熱はなく、風邪症状自体は軽快していた。何となく食欲は出ないという。受け答えは年齢を考慮するとふつうに思える。一時的にせん妄状態になったと思われる。
高齢なので検査することにした。頭部CTはラクナ梗塞が数か所あtった。MRではないので、新鮮なものかどうかはわからないが、局所症状はないので、陳旧性と判断した。血液検査で炎症反応は陰性。電解質も正常域だった。多少脱水気味かもしれない。外来で点滴を開始した。点滴途中でも外来に来た時よりも、表情が良くなっていた。風邪薬の抗ヒスタミン剤が悪いようだ。入院にすると、かえって悪化する可能性があり、今日は点滴1本で帰宅とした。風邪薬を中止して、水分を摂るように勧めた。明日調子が悪い時はまた点滴に来てもらう。